創価大学キャンパス内(丹木町)に、近隣住民も利用できるシェアサイクルが導入された。八王子市内のCO2排出量削減への貢献を主な目的に、同大経済学部の掛川三千代ゼミ生が昨年、市に施策提言したのがきっかけ。今後同ゼミでは、自動車やバスなどの利用と比較したCO2排出量の変化を測定し、調査していくという。
シェアサイクルとは、街中にある複数のステーションのどこからでも自転車を貸出・返却できるサービス。利用開始した4月26日には、導入を推進した掛川ゼミの学生らがステーションとなる理工学部棟前駐輪場(正門近く)で出発式を行った。ゼミ生の山内志穂さん(22)は「アイデア出しなど初期に参加していたので、形になってうれしい」と感慨深げ。
同ゼミでは2022年4月、市の気候変動対策とその施策について調査・分析を行う中、八王子市内の自家用車から排出されるCO2が、全国で算出した割合を上回っていることを知った。
同時期に八王子市では環境負荷低減を目的に、民間事業者と共同でシェアサイクルの実証実験を行っていた。八王子駅や西八王子駅、八王子みなみ野駅など駅周辺にステーションを設置し、活用効果の観察・検証を進めていたが、利用が少ないという課題もあった。
そこで同ゼミではシェアサイクルの利用を促進すれば、市内の自家用車からのCO2排出量を減らせるのではと考えた。さらに、ステーションが市南部や南東部に集中していること、北部にある創価大生の自転車利用のニーズが高いことなどに着目。1年間かけて施策提言を取りまとめ、八王子市役所に提出した。
今回導入したのは、市と共に実証実験を行ったOpenStreet(株)が管理運営する「ハローサイクリング」。スマホのアプリを使って利用予約し、支払いはキャッシュレス決済のみ対応。料金は利用開始30分で130円〜、15分ごとの延長で100円〜が必要。同大広報課によると、バスに比べ料金が安価で、JR八王子駅前からキャンパスまでは約20分ほどで移動できるという。
同ゼミの澤登孝男さん(22)は「設置された後が大事。社会に対する影響も測定していきたい」と話した。
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