養蚕と機織り、縁結びの神様が祭られている大谷町の機守(はたがみ)神社(大善寺境内)で7月6日、機守神社奉讃会、八王子織物工業組合による例祭が行われた。
当日は同社の奉讃会会員や萩生田光一衆議院議員、初宿和夫市長など約30人が参拝。大善寺の田邊裕誠住職による読経に合わせて献香を行い、年に一度ご開帳される「白瀧観音尊像」に手を合わせた。奉賛会副会長を務める同組合の樫崎亮一理事長は「八王子に白瀧観音が祭られて200年。その教えを広め、大切な地域文化継承の一翼を担っていきたい。これからも織物を始めとする八王子の産業を見守っていただければ」と式辞を述べた。
白瀧姫の伝承
同社の由来によれば、祭神は奈良時代に孝謙天皇に仕えた白瀧姫。類いまれな美しい女性で、姫に恋い焦がれた上野国(現在の群馬県)の役人、山田舎人が慕情を和歌にして送り、2人は結ばれた。上野国で暮らした姫が同地に養蚕や機織りを伝えたことから、没後に白瀧観音、機守様として祭られたという。
八王子に機守様が伝わったのは文政(江戸時代後期)の頃。与平という老人が、夢の中で白瀧姫から機織りの秘法を授かった。喜んだ与平は姫のご神体を模写し同寺の傍らに祠を建てて「機守神社」として崇拝した。以来、八王子織物業に携わる人などから信仰を集めている。1982年に現在の地に遷座された。