保護者が働いているかどうかに関わらず子どもを保育所や幼稚園、認定こども園などに定期的に預けられる「八王子市未就園児すくてく通園事業」が、6月から始まった。保育所などを利用していない0〜2歳児が対象で、市内12施設で実施(6月21日時点)。家族以外の人と触れ合う経験を通じて子どもの健やかな成長を促すとともに、在宅で子育てをしている保護者の孤立防止や育児不安軽減などにつなげていくなどの狙いがある。
同事業は子育て家庭への支援強化のため、国が2026年度から全国の自治体での実施を目指す「こども誰でも通園制度」の八王子市版。市は同制度の導入に向けたモデル事業実施自治体の採択を受け、2023年度に幼稚園型認定こども園みころも幼稚園(初沢町)で未就園児の定期預かりを実施。保護者アンケートなどを通じて効果の検証を行っていた。
未就園児すくてく通園事業は、未就園児を対象にした都の補助事業「多様な他者との関わりの機会創出事業」を活用したもの。市の認定を受けた実施施設(保育所、幼稚園、認定こども園)で、保育所などに通園・在籍していない0〜2歳児や、さまざまな事情から児童や保護者への支援が必要と認められた要支援児童等に対し、定期的な預かりや支援計画の作成、保護者に対する定期的な面談や子育てに関する助言などを行う。
実施施設には、預かり事業や開設準備経費などにかかる費用の一部に公費から補助が出ることから、利用時間が充実し、料金も抑えられるなどの利点がある。これまで在宅で子育てをしていて、保育所などが実施している一時預かり事業を実費で利用していた人などの負担も軽減され、安心して子どもを預けられるようになった。
市保育幼稚園課は「家庭で保育を行っている世帯が他の保護者と交流を持ったり、子育てに関する悩みを施設に相談する機会にもなる。保育の必要性の有無に関わらず気軽に利用していただける事業なので、積極的に利用してほしい」と話す。
質の向上に意欲
実施施設の一つ、七国の東京ゆりかご幼稚園では、1〜2歳児の3クラスで同事業の利用者を受け入れ。同園の園児と一緒に過ごし、園庭の豊かな自然の中でさまざまな経験を共にしている。内野彰裕園長は「これまで行政の支援が届きにくかった在宅で未就園児を育てている家庭に光が当てられ、皆で見守り、子育てをしようという方向性になった。まだ手探りの部分もあるが、我々実施施設の側も教育、保育の質を高めていきたい」と意欲を語った。
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