子ども特有の暑熱環境「こども気温」に着目した親子向けの熱中症対策啓発イベントが、7月18日から20日にかけて旭町のえきまえテラスで開催された。水分補給飲料「GREEN DA・KA・RA」ブランドを展開するサントリー食品インターナショナル(株)が、八王子市の協力のもと初めて実施した。
こども気温は、子どもの身長の高さで計測した気温が大人と比較してプラス7℃程度になるというもの。地面の照り返しなどの影響によるもので、大人より背が低い子どもは熱中症のリスクが高くなることが推測される。同社と気象専門会社の(株)ウェザーマップ社が2023年に行った共同検証実験で確認された。
イベントではこの事実を広く知らせようと、大人が冬用コートを着用することで「プラス7℃」を体感できるコーナーや、「こども気温」を知らせる緑色の消防車「熱中症防車」の展示と散水体験、「こどもの気温のきけんマップ」の配布などが行われた。
2歳児を連れて会場を訪れた35歳の母親は、「まだ自分から体調不良などを訴えてこない年齢なので、暑さ対策やこまめな水分補給を心がけている」と話した。12月に第一子が産まれるという30歳の男性は、冬用コートを羽織り「こども気温」を疑似体験。「大人でもつらい暑さ。子どもが自分より暑い環境にいるということを気にかけたい」と感想を語った。
災害級の暑さ
18日のイベント開始時は気温が34℃を超え、こども気温では41℃以上に。サントリーの阿部泰丈ブランドマーケティング本部部長は「八王子市はさまざまな熱中症対策に取り組んでおり、子どもの転入数も多い。災害級の暑さになるといわれているこの夏、一人でも多くの人に『こども気温』を知ってもらい、熱中症対策と水分補給に取り組んでいただければ」と期待した。同社と7月に「八王子市における熱中症対策の取組に関する連携協定」を締結した八王子市の初宿和夫市長は「市内の小学校でもちょうど夏休みが始まり、市としても熱中症対策を呼びかけるタイミング。サントリーの取り組みに市民を代表して感謝したい」と述べた。