交通整理員の手伝いをしていて登場が遅れたり、観客へのあいさつ途中に空腹で倒れ込んだり--。強いのにどこか「抜けている」、心優しきヒーロー「バスターフラッシュ」。コロナ禍の2022年から多摩地域に姿を現し出したこのヒーローをご存知だろうか。
八王子市の商業施設や 多摩市の夏祭り、日野市の七夕まつりなど、多摩地域のご当地ヒーローとしてイベントなどに登場している「火炎戦士バスターフラッシュ」。赤と白のボディに、軽快なトークと遊び心のある性格が特徴だ。
相棒の「時空戦士ストレイザー」はブラックに身を包み、クールで冷静沈着、バスターフラッシュと共に「闇エネルギー」で世界を滅ぼそうとする悪を「希望の光」で倒すのだ。
ヒーローショーを行えば、会場の子どもたちから「がんばれ」「負けるな」と声援が飛ぶ。一方で、SNSでは「休憩中」の自然体な姿なども投稿。ショーを見た客から「とってもカッコよかった」「跳躍力がすごい」など応援コメントも。「大人の特撮ファン」とも交流し、認知度の幅を広げている。
バスターフラッシュが初めて現れたのは、多摩市にある障害者施設。当時、感染対策で家族との面会が制限され、気持ちが塞ぎ込んでいた利用者たち。そんな彼らを勇気づけようと、室内ではなく窓越しにショーを実施。気持ちは利用者たちに伝わり、よろこんでもらえた。そんな縁もあり、現在のバスターフラッシュらのキャラクターグッズは、この施設の利用者などが手づくりしている。
活動を続けるパワーの源を聞くと、「応援してくれる人の声」と力強く話すバスターフラッシュ。今日も多摩地域の平和を守っている。