「並木町音頭」を制作・公開した並木町一丁目町会の会長を務める 小澤 一竑(かずひろ)さん 並木町在住 84歳
傾聴力で地域に活気
○…並木町一丁目町会の力が結集して誕生した並木町音頭に「感無量。町会の最高の財産ができた」と顔をほころばせる。今年の初め頃、地元をテーマにした歌と踊りでまちを盛り上げたいという提案とともに町会員から持ち込まれたデモテープを聞いて、すぐに「町を挙げてやろう」とGOサインを出した。町会の呼びかけを通じて幅広い世代が制作に参加し、新しいつながりもできた。「これを町会の活性化につなげていきたい」と意気込む。
○…5歳の時に終戦を迎えた。八王子空襲の際はひよどり山の林に隠れて難を逃れたが、焼け野原となった街に転がる焼けた遺体と焦げた臭いを今でもおぼえている。食品などを販売していた父の商売を手伝い、運送業、貸店舗経営など仕事を変えながら、今ではビルや住宅が立ち並ぶ街の発展を見守り続けてきた。
○…町会長に就任して10年。夏祭りや防災訓練など町会のイベントを通じて、住民同士がつながる場を作ることを大切にしている。多くの人を巻き込み、一緒に楽しむことで地元への愛着と活気が生まれ、「住みたい・住み続けたい」と思われる町になる。心がけているのは、人の話をよく聞くことだ。「自分の気持ちだけで動いても、うまくいかない。他人の意見も聞いて動いてこそ物事は進む」。住民から出たどんな意見にも丁寧に耳を傾け、引っ越してきた住民がいれば自ら挨拶に出向くなど、温厚でまめな性格が慕われている。
○…スポーツ観戦が好きで、この夏はパリ五輪や高校野球をテレビで応援。夜遅く始まった競技を一晩中見ていた日も。70歳の時に免許を自主返納し、今は自転車でどんな場所にも移動する。旬の野菜や果物を食べることも健康の秘訣。
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