8月に第22代高尾警察署の署長に就任した 田部井 健次さん 東浅川町在勤 56歳
明るい雰囲気 好循環生む
○…署員に向け「担当業務にひたむきに取り組むこと」などを訓示として掲げた。警察は刑事事件の取り扱いから裏方を支える事務職までさまざまな部署があるため、「どんな業務も最終的に市民の安全な暮らしにつながる」という思いだ。一方で小さなミスでも市民の命を脅かしかねないため、「署員がなんでも報告しやすいよう、署長として話しやすい雰囲気を心がけたい」とする。
○…生まれは都内。警察官になったのは、意外なことに先輩警察官からの「スカウト」だ。高校3年生の時、交番の前で呼び止められ、世間話から「まだ進路は決まっていない」という話に。「なら警察はどう?」。思いもよらぬ誘いに驚いたが、「野球で締まった身体を見ての判断だったのかも」。往年の名作「太陽にほえろ!」が好きだったことも後押しになり、導かれるようにこの道を歩み始めた。
○…刑事ドラマのイメージとは反対に、この35年間、皇族など要人の身辺警護をする部署に多く在籍した。事件が起きてから動くのではなく、問題が起きないよう全身全霊をかけるのが鉄則。当時所属していた警備課のある赤坂警察署管内は赤坂御用地や迎賓館赤坂離宮のあるいわば「要人が集まる街」。皇族や来日したオバマ元大統領の護衛に携わるなど、手に汗握る日々を過ごした。
○…これから高尾のまちを探索するのも楽しみだが、もうひとつ楽しみがある。5年ほど前から友人の影響で心酔している「革靴」だ。扱い方など「昔は全然気にしなかった」が、今や新品への皺入れや美しい鏡面磨きのコツなど、ユーチューブでプロに学ぶのが楽しい。電車に乗れば「人の靴が気になってしょうがない」。趣味を充実させるのもいい人生の秘訣だ。
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