児童養護施設の子どもたちを招いた川遊びイベントが、9月7日に浅川の鶴巻橋近くで催された。奉仕団体の東京八王子中央ライオンズクラブ(谷合ひろよ会長、以降=中央LC)が、青少年育成事業の一環として企画。館町の児童養護施設「こどものうち八栄寮」で暮らす児童9人が参加して、水遊びや川辺に住む生き物探しを楽しんだ。
八栄寮は、さまざまな事情で家族と暮らせなくなった2歳から18歳までの子どもたちを預かり養育している施設。年間を通じてさまざまな年中行事を催しているが、これまでに子どもたちを連れて川遊びをする機会はなかったという。中央LCでは今年度、クラブ内に青少年育成委員会を新設するなど、地域の子どもたちへのボランティアに注力しており、川遊びはその新規事業として企画した。
川遊びの魅力を伝える先生役を、俳優の中本賢さんに依頼。中本さんは「八王子浅川水辺の楽校 ガサガサ探検隊」の隊長として、20年にわたり川遊びや川の生き物観察を通じた環境学習支援に尽力。今年、市の環境教育アドバイザーにも就任している。
中本賢さんが川の魅力を伝授
当日は同クラブから14人が参加し、市職員や市民ボランティアも運営に協力した。ライフジャケットを着用した子どもたちは、初めに中本さんから浮き方や溺れてしまった場合の対処法などの説明を受けた後、タモ網やバケツを手に川を散策。川辺の水草や石の下に隠れた生き物を探したり、水面に浮いて川の流れに身を任せたりと、水の冷たさや珍しい生き物の発見に歓声を上げながら、川ならではの体験を満喫した。
この日、子どもたちが観察した生き物は10種類・444匹以上。中本さんは生き物の名前や特徴を詳しく説明し、自作の紙芝居でクイズやユーモアを交えながら「教わらず、感じろ」と川の魅力や川遊びの楽しみ方を伝授した。中本さんは「子どもたちには『川って楽しい』、それだけを伝えたい。大人になってから、その価値を考えてもらえれば」と話す。
八栄寮職員の内藤勇希さんは「子どもたちの目の輝きが違う。きっと思い出に残る経験になった」と感謝し、中央LCの谷合会長は「子どもたちの笑顔と『また来たい』という言葉を励みにクラブの継続事業にしていきたい」と展望する。
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