8月下旬に日本列島に接近し、各地に記録的な豪雨をもたらした台風10号。八王子市内でも29日から31日にかけて不安定な天候が続き、中でも30日には観測史上1位となる6時間降水量203.0mmを記録した。市は小学校や市民センターなど26施設で避難所を開設し、最大で74世帯・103人の避難者を受入。この日は台風を警戒して休校する小中学校や保育園・学童の休園もみられた。
市がとりまとめた市内の被害状況(9月1日午前10時発表時点)によれば、がけ崩れ等が6件(戸吹町、初沢町、長沼町など)、床下浸水が5件(長房町、小宮町、狭間町など)、八王子駅北口地下自由通路・駐車場などで床上浸水が3件(七国、暁町、旭町)、冠水28件、倒木10件、雨漏り4件、その他にも下水道マンホールからの溢水、道路への土砂流出などがあったが、いずれも人的被害はなかった。また南浅川の氾濫を警戒し、市役所本庁舎でも今年3月に浸水対策工事を終えたばかりのシート式止水板などの第1水防ラインを設置したが、河川の氾濫はなかった。市危機管理政策担当は「令和元年東日本台風の教訓を生かし対応プランができていたため、避難所の開設などが速やかにできた。今回の台風被害についても全所管から課題を抽出、集約して次の災害に備えていきたい」と話している。
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