出張寄席で地域貢献に取り組む、中央大学落語研究会の部長を務める 下田 凜太朗さん 東中野在学 20歳
「人間臭さ」がおもしろい
○…1957年創部という長い歴史をもつ中大落研(おちけん)。その第66代部長を務める。定期的な自主寄席を主催する他、地域貢献として地元町会の催しや高齢者施設などにも出張する。今月本郷町で行われた寄席には部員4人が出演し、日頃の練習の成果を披露。「僕たちからするとレベルアップの場ですし、地域の方々からすると日頃の嫌なことを笑って忘れられる場。双方ウィンウィンなんです」と地元町会との交流を楽しむ。
○…「古典」と「新作」があるなかで、古典落語を好む。紙や筆が満足になかった時代から、口承で語り継がれてきた噺は、どれも時代を超えて普遍的。「余計な箇所は削ぎ落とされているだろうから、今伝わっているのが最高の完成度なのでは」と長い歴史に思いを馳せる。「知ったかぶりをしたい」という欲から思い違いが始まる演目「転失気(てんしき)」など、今も昔も変わらない「人間臭さ」が垣間見えるのがおもしろいという。
○…「今までやったことのないことに挑戦してみたい」と落研の門を叩いたのが3年前。引っ込み思案の性格を変えたいと思った。入りたての頃は高座に上がるのに緊張が止まらなかったが、さすがに慣れてきた今日この頃。憧れの先輩がそうだったように、部員同士で行う「ネタ見せ」では、忖度なくダメ出しをするのが部長の役割だ。
○…大学では日本史を専攻。先人たちの思いに興味を抱くのは、落語にも通じるものがある。神奈川県川崎市の自宅から通い、講義に教職課程にアルバイト、最近はこれに就職活動も加わってきた。そんな合間の息抜きは、町中華で食べるあんかけ焼きそば。目星をつけた店を訪ね、店ごとに異なる味付けを楽しむ。これが忙しい中での自分の機嫌の取り方だ。
|
|
|
|
|
|