「萩マルシェ」など地域イベントを開催する萩霊園長福寺の副住職を務める 飯沢 隆秀さん 川口町在住 38歳
集える場、ないならつくる
○…寺の本堂や駐車場を開放し、キッチンカーや子ども向けゲームなど、1日お祭りのように過ごす萩マルシェ。名前の「萩」は、「東京随一の萩の名所」として知られることから名付けた。副住職として勤め始めた2年前から、「地元川口の人たちが集まれる催しを開きたい」と毎年開催してきた。今月行った第3回では、会場を本堂まで広げ、エアロビやジャズを楽しんでもらうなど、「お寺を身近に感じてもらう」イベントに仕立て上げた。
○…長福寺の跡取り息子として育つ。大学卒業後、高尾山薬王院で約9年の修行を経て寺に戻った。川口町にはずっと住んではいたが、あらためて子どもの数が減っていることや、地域で集える場がないことに危機感を持った。「このまま何もしなければ、ますますなくなる一方」。その数カ月後に駐車場を開放して開いたのが萩マルシェの第1回だ。
○…学童期、よく通った近所の駄菓子屋があった。「”名物おかあさん”がいつもいて。友達と一緒に行ったり、1個でも多くお菓子を買うために一生懸命計算したり」。あれから数十年、「あんな場所をつくりたい」と寺の一角に駄菓子屋を開く計画が進んでいる。ちなみに、「名物おかあさん」は長福寺の筆頭総代の奥さんだったことがわかり、来春始めることを喜んでくれたという。
○…4人の子どもがおり、今年度から小学校のPTA会長になった。どの子どもたちも、いつかは地元を巣立つときが来るかもしれない。いずれ出ていくとしても、「地元には何もなかったと思ってほしくない」。懐かしい友人と会ったときに、「昔、一緒に萩マルシェに行ったよね」と笑顔で話せるような、そんな地域のコミュニティづくりを目指す。
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