累計発行部数900万部を超え、子どもたちに広く愛される絵本「だるまさん」シリーズを生み出したかがくいひろし氏の作品などを集めた展覧会が現在、八王子市夢美術館(八日町)で行われている。
「だ、る、ま、さ、ん、が――」のフレーズが耳心地よく、子どもたちが夢中になる「だるまさん」シリーズの絵本たち。
作者であるかがくい氏(1955-2009年)は東京都生まれ。東京学芸大学で美術を学んだ後、特別支援学校で教員を務めた。50歳で作家デビューし、病で急逝するまでのわずか4年間に、『おもちのきもち』『もくもくやかん』、『おむすびさんちのたうえのひ』、『まくらのせんにん』シリーズなど、16冊の絵本を次々と生み出した。これらの絵本は、長年にわたる障がい児教育現場の経験から生みだされたものだ。
未完成作品「巡回館で最多」
本展は、作者没後初の大回顧展。全国を巡回しており、関東地方での開催は同館が初めて。絵本の原画、ラフスケッチ、制作アイデアノートだけでなく、『だるまさん』シリーズ続編で未完成作品の『だるまさんがたべた』などのラフスケッチ画も展示。約600点を展示する。
未完成作品について、同館の担当者は「これまでの巡回館の中で最多の出品数」と紹介する。「絵本の原画はもちろんのこと、作者自身にもスポットを当てている。たくさんの子どもたちに笑顔を届けてきた作者のあたたかい人柄や、豊かな創造性を感じてほしい」と話している。
◇展覧会名「 日本中の子どもたちを笑顔にした絵本作家 かがくいひろしの世界展」。会期は11月4日(月・祝)まで。
問合わせは同館【電話】︎042・621・6777。
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