第50回衆議院議員総選挙が10月27日に投開票され、6人の候補者で争われた小選挙区東京第24区は、自民党の公認を得られず無所属で立候補した前職の萩生田光一氏(61)が接戦を制し、7度目の当選を果たした。次点で敗れた立憲民主党の有田芳生氏(72)は重複立候補した比例東京ブロックで復活当選。また4人が立候補した第21区は、立憲民主党で前職の大河原雅子氏(71)が当選した。
2022年12月に区割り改定法が施行されて以降、初の国政選挙。八王子市内では前回まで東中野と大塚のみが該当した21区に、旧24区から下柚木や上柚木、南大沢などの区域が移った。
両区の選挙戦では、いわゆる「政治とカネ」を巡る問題に特に注目が集まり、政治資金の不記載問題で処分を受けた自民党の候補者が党の公認を得られず無所属で出馬する展開となった。政治不信を招いたことへの反省と信頼の回復に努める姿勢を示す自民・非公認候補者と、問題の追及と国民の審判を訴える対立候補が争う構図の中で各候補者が自身の政策を訴えた。投票率は24区が56・48%、21区が55・86%。
24区
例年の選挙では、午後8時の投票締め切りと同時に当確が報道されてきた萩生田氏。今回選挙では苦戦を強いられ、立憲民主党の有田氏に約7500票差まで迫られ、僅差の勝利となった。
神妙な面持ちで事務所に現れた萩生田氏は支援者に感謝を述べ「裸一貫、原点に戻ってやり直そうと声をからした選挙だった。同志が多くの議席を失った原因を我々が作ったこともあり、責任を痛切に感じている。初心に帰り安全保障、経済、子どもたちの教育、やらなければならないことがたくさんある。やっぱり萩生田でよかったと言ってもらえるよう国会に戻って働いて、仕事をもって信頼を証明していきたい」と話した。
一方、比例で復活当選を果たした有田氏は公式Ⅹで「真っ当な野党や労働組合に支えられて駆け抜けることができました。”人生後期の仕事”に邁進します」とコメントしている。
21区
前回選挙では自民党の小田原潔氏に敗れ、比例で復活当選した大河原氏。今回選挙では無所属での出馬となった小田原氏に約2万票の差を付けて念願の小選挙区での当選を果たした。
投票終了後、出口調査による一部の報道で当選確実の報も出ていたが、慎重に開票状況を見守った大河原陣営。日付が変わった午前0時過ぎに当確が決定的になると、選挙事務所は歓喜の声に包まれた。大河原氏が「皆様にいただいた3期目。さらにガツガツと活動し、共に生きる社会を必ず実現します」とあいさつすると、集まった支持者らから盛大な拍手と歓声が沸き起こった。
大河原氏は「裏金を許さない本気の政治改革、経済格差の是正や子どもとその親を徹底的に支えるビジョンを国会で訴え、立憲に政権を任せたいと思ってもらえるように励んできたい」と抱負を語った。
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