地震と豪雨で甚大な被害を受けた能登半島の伝統工芸「輪島塗」の文化を失くしてはならないと、現地とつながりのある市内企業が動いた。市内東中野の株式会社Duco(渡邉和子代表)は都内に職人らを招き、自ら輪島塗の魅力や現地の様子を語ってもらう支援販売会を企画。11月18日(月)から府中市内で開催する。渡邉さんは「輪島塗の持つ魅力を伝え購入してもらうことで、本当の意味での復興支援、職人の生活の立て直しにつなげたい」と思いを語る。
漆を使った小物やインテリアなどの開発・製造販売を行う同社では35年以上、漆器の産地にある工房と親しく交流を続けてきた。その一つである輪島では今回の度重なる被災でほとんどの工房が損壊し、土砂が流れ込むなど仕事ができない状態に陥った。泥に浸かった製作途中の製品を捨ててしまおうとするなど、先の見えない状況に職人の気力が失われていることを感じ取った渡邉さんは「職人の高齢化もあり、このままでは輪島塗が滅んでしまう。それはあまりにも勿体無い。微力ながら力になりたい」と支援販売会を企画した。自身が輪島や福井の職人の元で漆塗りの修行をさせてもらったことへの恩返しの思いもあるという。「寄付では一時的な支援にしかならない。在庫を安売りするのではなく、輪島塗ができあがるまでの工程や取り扱い方、年中行事との関わりなどを解説して、輪島塗の魅力を知ってもらった上で購入してもらえれば」
御陣乗太鼓も
11月18日に大國魂神社で復興祈祷を行い、18日から22日(金)まで府中駅前にあるフォーリス1階の光と風の広場で輪島塗の説明と販売会(午前10時〜午後8時※初日は午後2時から、最終日は午後3時まで)、19日(火)から27日(水)までミッテン府中9階で新製品を展示販売する。また20日(水)午後1時と21日(木)正午には、フォーリス前のけやき広場で輪島無形文化財『御陣乗太鼓』の特別公演も。販売品はお椀やお重、座卓などのほか、最後の工程まで終えていない中塗りや下地の「仕掛かり品」、輪島塗に使う上質な漆の原液なども並ぶ。「輪島塗は安くはないが、塗り直したり磨き直すことで何世代も使い続けることができますよ」と渡邉さん。
問い合わせは同社へメール(nadesycco@duco.co.jp)で。
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