少子化に伴う人手不足が進行するなか、かつてバブル景気崩壊後の就職難で苦しんだ「就職氷河期世代」に、企業などから再び注目が集まっている。
現在の30代後半から50代前半にかけての世代は就職活動の時期に厳しい就職難に遭遇し、やむなく非正規雇用などの不安定な就労を選んだり、無業のまま卒業せざるを得ない人も少なくなかった。新卒の時期に正規雇用のレールに乗ることができなかったことで、後に雇用情勢が改善しても、もう変えることができない年齢や職歴がハンデとなり、この世代の就職や転職、復職などを不利な状況にしてきた。
また家庭の事情や健康上の理由、職場の人間関係等で傷ついた経験などから自分に自信が持てなくなり、ひきこもっているなどのケースも少なくない。
国の対応
国は2019年に政府を挙げての本格的支援計画として「就職氷河期世代支援プログラム」を打ち出し、100万人程度と見込んだ対象者の集中的な支援に乗り出した。全国のハローワークに専門の就職相談窓口を設置し、地域若者サポートステーションの対象を49歳まで引き上げ、ひきこもりには社会参加や自立に向けた支援機関につなぐといった取り組みにより、3年間で正規雇用者を30万人増やすことを目指したが、新型コロナの影響による雇用情勢の悪化もあり計画は伸び悩んだ。
この結果を受けて政府は2023年度からの2年間を「第二ステージ」と位置付け、これまでの支援の成果を検証した上で、より効果的な支援の実施に取り組む方針を示した。その具体的内容をまとめた「就職氷河期世代支援に対する行動計画2024」の中では地方自治体や関係支援団体、産業界などとの連携も重視している。
雇用情勢の変化
近年、少子高齢化が進み、あらゆる分野で人手不足が進行している中で、就職氷河期世代を積極的に採用する企業が増えてきている。この世代の雇用や人材育成をした企業に対し、国が助成金を交付していることもその動きを後押ししている。
新たに踏み出す一歩に
八王子市でも就職氷河期世代の就職を支援する個別相談会や合同企業面接会などの取り組みが実施されている。
11月18日(月)には就職氷河期世代の就職や転職、復職を応援する参加無料のセミナーを明神町の東京たま未来メッセで開催する。午後2時から4時まで。
セミナーでは新卒や20代の頃とは違う、就職氷河期世代に合った履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策などのポイントを講師がわかりやすく解説する。支援事業の事務局では「安定した仕事を探したい人や働いたことがない人、働くことが怖くなってしまった人など、誰でも気軽に参加してください。新たに踏み出す一歩につながれば」と呼びかけている。
事前申込制で先着30人。申し込みはウェブサイト(https://oshigoto-hachiouji.com)。問い合わせは事務局【電話】03・5348・2039(平日10時〜17時)へ。
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