非行や不登校などの困難を抱える少年・少女の支援活動に取り組む八王子BBS会(樫井陸会長=人物風土記で紹介=・21歳)が、このほど更生保護活動に優れた功績のある団体や個人に贈られる「瀬戸山賞」を受賞。12月10日に市役所を訪れ、初宿和夫市長に受賞報告を行った。
BBSは、Big Brothers and Sisters Movementの略。同会は市内を中心に非行や社会不適応などの問題を抱える少年たちに対し、その名の通り兄や姉のように身近な存在として接しながら、立ち直りを支援する活動を行っている青年ボランティア団体。大学生や社会人の若手会員からなり、少年たちの学習支援や悩み相談、親子や地域の交流を深めることを目的とした凧づくり・凧揚げ教室などを通じて、犯罪や非行のない社会の実現に向けた活動を半世紀にわたり続けている。
こうした長年の功績が認められ今年度、日本更生保護協会が1団体・4個人に贈った瀬戸山賞の受賞団体に選ばれた。授賞式は10月に東京国際フォーラムで開催された「更生保護制度施行75周年記念全国大会」で行われ、同協会の大林宏副理事長から樫井会長が表彰状を受け取った。
地域の理解を
市長表敬で初宿市長は「長年にわたり、立ち直ろうとしている子どもたちの支えになってくれていることをありがたく思う。今回の受賞も、これまでの積み重ねに対する評価の表れ。今後さらなる活躍を期待している」と感謝を述べた。
樫井会長は「非行は少年たちの心からの叫び、SOS。家族や友だちなどの大切にしたいと思う人、周囲から大切にされているという実感が非行に走らない心のブレーキになる。BBS会はそんな存在を目指している」と説明。近年は非行少年が減少している一方で、不登校などの生きづらさを抱えている少年の相談が増えているとし「立ち直りには地域の理解や協力が不可欠。関係機関や団体、地域を巻き込みながら活動を展開していきたい」と展望を語った。