八王子市出身の俳優で歌手の工藤夕貴さんが4月20日(日)、八王子エルシィでディナーショーを行う。ムード歌謡で知られるロス・インディオスとコラボし、新曲「コモエスタ・ロスアンジェルス」や「別れても好きな人」などを披露する。自身初の凱旋公演。本紙では、開催を記念して単独インタビューを行った(3月13日実施。聞き手/岡田知子)。
─八王子開催が決まった時の気持ちを教えてください。
まさか地元に帰ってこられるなんて思わなかったので、本当にうれしいです。父のお墓もありますし、クラスメイトだった子が連絡をくれたりして懐かしく、改めて地元の方々に声をかけたいと思いました。
─見どころは?
ロス・インディオスさんとのコラボレーションですね。昭和歌謡の定番曲もたくさん歌いますし、演歌やラテン音楽など、いろんな世代の方に楽しんでいただけるよう、バラエティ豊かな選曲になっています。チームワークも抜群なので、和気あいあいとした楽しい会になると思います。
─幼少期の思い出についてもお聞かせください。保育園からずっと八王子だったんですよね?
はい。光明第七保育園から加住小、加住中に通っていました。当時は1クラス39人とかで、4クラスありましたね。
─友達とよく遊びに行った場所はありますか?
忠実屋とか長崎屋とかよく行っていました。長崎屋のファンシーショップで文房具を買ったり、駅前のマクドナルドでハンバーガーを食べたりするのが楽しみでした。
─小学校の印象的な思い出はありますか?
小学校高学年の時、担任の先生がディベート好きで、個体燃料のコークスが輸入されているかがクラスで議論になったことがありました。私は輸入されていると思ったのですが、クラスメイトは全員輸入されていないと。それで当時、電話帳をめくって次々に会社に電話しました。輸入している企業を探し出し、次の日学校でレポート発表したんです。
─すごい行動力ですね!
でも輸入していない会社もあって、結局引き分けになってしまった。そんな感じで、子どもの頃は思い込みが激しくて器用に振る舞えない。割と孤立してたような所があった気がします。
─八王子での出来事が今に繋がっていると感じることはありますか?
あの頃は、家庭の事情や学校のことで色々と大変な時期でした。でも、気が強かったからこそ負けないで頑張ろうと思えた。自分の気骨を育ててくれた場所ですね。もちろん、楽しいこともたくさんありました。おばあちゃんが作ってくれた甚平を着て八王子まつりにいったり、親戚のように面倒見てくれたご近所の方たちのことも、大切な思い出です。懐かしい子ども時代が全部、八王子にありますね。
─新曲のレコーディングも八王子市内で行われたそうですね。
最後に父がレコーディングした場所だったと聞いて、私もそこで録りたいと思いました。
─歌手活動を通して、お父様のことを思い出す機会は増えましたか?
はい。不思議と、全ての縁を父が用意してくれたのかなと思うことがあります。父が以前、私が「50歳を過ぎたらいい歌が歌える」と言っていたと聞きました。私も色々な経験をして、やっと父の歌を素直に歌えるようになった気がします。
─最後にディナーショーへの意気込みをお願いします。
28年ぶりに本格的に歌い始め、歌えることの幸せや、応援してくれる方への感謝の気持ちを強く感じています。当時の私を知る方は「ココで会ってたんだよ」と伝えに、ぜひ会いに来ていただけるとうれしいです。
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