片倉町在住のプロボクサー、荒川仁人さん(36)が20日(日)、王者として2度目の防衛を目指すWBOアジアパシフィック・ライト級タイトルマッチに挑む。片倉町の不動産会社や南大沢の銀行など、市内企業の応援が荒川さんの勝利を後押しする。
20年近くにわたって荒川さんを見守り続けてきたのが、JR片倉駅前で不動産業を営む筒井和彦さん(55)だ。3年前までマネジャーを務めていた、JR八王子駅近くのボクシングジムで出会って以来の付き合い。
天才だ――。高校卒業後、初めてグローブをはめた荒川さんの練習風景を見た、筒井さんの第一印象。その時はまだアマチュア選手だったことから、プロを担当する筒井さんは遠目から見守るだけだったが、「相手の急所などにピンポイントでパンチを当てる感覚が優れていた。練習で身につくレベルのものではなく、天性のものと感じた」と、元プロボクサーである筒井さんの目には、いずれ、チャンピオンベルトを巻く逸材に映っていたという。
「応援」集まるように
その「見立て」通り、荒川さんは入門から2年目にアマチュアの大会で優勝を果たすと、2004年にプロデビュー。翌年には全日本の新人王に。そして、日本チャンピオン、11年には東洋太平洋の王座へと順調にステップアップしていった。
比例するように、増えていったのが市内企業を中心とした”応援団”だ。筒井さんらが市内企業などに声をかけていき、仕事柄付き合いのあった、銀行や建設会社などの「応援」が集まるようになった。
「ボクサーのファイトマネーはチケットの売れ行き次第で決まる。皆さん、仁人の試合がある度にたくさんの仲間を連れて応援に駆けつけてくれるんです」と筒井さんは笑顔をみせ、荒川さんの人懐こい性格や、競技に対する実直な姿勢に皆が引きつけられているのでは、と話す。そして、ボクサーは周囲の支援があってこそ、上を目指せるもの、とも。
10年以上にわたって応援し続けている、南大沢地区周辺を地盤とする「みずほ銀行」南大沢支店の水上斎支店長(50)は「強いだけでなく、荒川選手の生真面目で礼儀正しい人柄に惹かれて応援している」とその理由を話し、同支店の歴代支店長から引き継ぎ、過去4回観戦した荒川さんの試合は「ベテランらしく、”うまい”という印象を受けた」と振り返る。
20日の試合も、行員一団となって試合会場に駆けつける予定だという。
きっちり「勝ち」を
今回の試合に勝利すれば、次戦は世界タイトルマッチの可能性もある、と筒井さん。周囲から「もう世界へ行けよ」と言われるぐらい、きっちりとした勝ちを収めてもらいたいと荒川さんへエールを送る。
荒川さんは「変わらぬ応援をし続けて頂いているおかげで、長くキャリアを積むことができていると考えています。応援が自分の力へと”変換”され続けている」と、各所からの声援に感謝の意を口にする。そして、20日は、必ず「次へつながる」戦いをする、と意気込みをみせる。
フィリピン選手と対戦
試合は大田区で開催され、フィリピンのリマール・メトゥダ選手と対戦(12回戦)する。当日は荒川さんと同じジムに所属する世界チャンピオンの田口良一、京口絋人両選手の防衛戦も行われる。
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