初沢町在住の松崎匡(ただし)さん(49)が企画する音楽イベント「ドヤフェス」が10月20日(土)、三崎町のライブハウスで開催される。松崎さんは2010年、40歳のとき肝臓がんを患った。43歳で「余命半年」と告げられ今も闘病するがん患者だ。イベントは16年からこれまで5回開催。続けることで松崎さんは「がんでも元気に楽しく生きることができる」と「これからなるかもしれない人」へアピールする。
音楽イベント継続 10月八王子で5年前「余命半年」
まさか自分が――。福祉系の専門学校で講師をしていた松崎さん。人間ドッグで肝臓がんが発覚した。
手術を受け、社会復帰をするも再発。入退院を繰り返した。43歳のとき、医師から「余命半年」の宣告があった。
治療法も減っていき先が見えなくなる中、病床でロックミュージシャン、忌野清志郎さんのDVDを見ていた。忌野さんは09年、がん性リンパ管症で他界した。松崎さんは、同じ高校に進学したほど忌野さんに憧れていた。「後輩になれたけど、継いだのはがんだけじゃん」と笑いながらも落ち込んだ。
忌野さんが力に
「やりたいことをやろう。やろうと思えばできる」。忌野さんには闘病生活から武道館のステージに復帰したエピソードがある。その「生き様」が松崎さんの背中を押した。落ち込む材料に事欠かない日々、がんと闘うのではなく、「共生しよう」と考えるようにもなった。そして16年、音楽イベントの開催を企画。「音楽を通じてがん患者・経験者と、そうでない人が同じ時間を共有できる場を作れたら」。忌野さんにゆかりのある人に直接声をかけ、同年11月、東京・神田で「ドヤフェス」を実現させた。
がんを隠すようなことはしない。「言わないでコソコソしているより、ドヤ顔(得意げな表情)でいいじゃん」。イベント名に前向きな姿勢を表した。出演ミュージシャンは「自分の人生を変えてくれた人」に依頼している。これまで毎回出ているギターパンダ(山川のりを)さんは、かつて忌野さんとバンドを組んでいたギタリストで、八王子でライブをした際、松崎さんが直談判した。
神田、町田、八王子、神田、新宿と会場を変えこれまで3、4カ月に1度のペースで開催を続けてきた。「この間隔だと入院、治療、退院、そして本番といいリズムなんです」。本番へむけての準備は「心地よいプレッシャー」で、「だから目標になり、元気でもいられる」と話す。なおイベントはこれまで全て満席だ。
「なるときはなる」
9回再発、36回入院、2度の「死にかけ」(松崎さん)と発病後、壮絶なストーリーを展開している。ここ最近、肝機能は正常だが、体力の減退は否めないそう。「みなさん自分はがんにならないと思っているはず。私もそうでした。でもなるときはなる。そんなとき、冷静に生きることを考えてもらいたい。で、こんなことができることも知ってもらいたい」とイベントの来場を呼び掛ける。
松崎さんは退院のたび、市内にある忌野さんのお墓を訪れる。「また生き延びちゃいました」と手を合わせるそうだ。
◆第6回ドヤフェス【日時】10月20日(土)午後4時30分開演【会場】八王子Match Vox(三崎町2―7 B1F)【チケット】2400円+1ドリンク【出演】ギターパンダ、The武田組、はいからさん、ジャンボラーメンズGT―R、ジョニクロ、なかざわゆうきお笑い軍団【問い合わせ】https://matchaki.wixsite.com/doyafes【主催】ドヤフェス実行委員会
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