八王子市内を拠点に活動する中学硬式野球チーム「八王子リトルシニア」が世代日本一を決める大会「ジャイアンツカップ」に初出場し3位となる好成績を収めた。サヨナラヒット、満塁ホームランを放つなど、攻撃の軸として活躍する一方で、エースとしても好投を重ねた井坪陽生選手(3年)がチームを引っ張った。
まさに大車輪の活躍だった。全国の中学球児が目指す大会。愛媛県代表の「松山中央ボーイズ」との1回戦では7回を1安打無失点で抑える好投を見せると、その試合の延長戦でサヨナラヒットを打ち、チームに勝利をもたらした井坪選手。続く2回戦では満塁ホームランを放ち、チームのコールド勝ちを呼び込み、翌日の準々決勝では投手として相手打線を抑え込む活躍を見せた。
「チームが勝てるように力を尽くした結果。敗れた準決勝の相手は今年、練習試合で勝ったことのある相手だっただけに負けて悔しい」と井坪選手。
チームを率いる和田義盛監督は「所属するリーグの全国大会へ出場できなかった悔しさをもって挑んだ大会。出場できればこのくらいの結果は残せると思っていた」とし優勝したチームとも力の差はないと感じたのだという。
打撃中心の練習
サヨナラヒット、満塁ホームラン。井坪選手の勝負強さの秘密はなにか――。それは同チームの打撃中心の練習にあるようだ。
「野球で一番面白いのは打つこと」と考える和田監督のもと、井坪選手らナインは守備よりも打撃練習に取り組む時間が長い。多い日で1日500スイングほど、バッドを振り込む練習を重ね「型」が出来ているからこそ、「いざという時に力を発揮できるのだと思います」と和田監督は話す。
また、井坪選手は「俺がヒーローになってやる」と緊迫した場面を前向きに迎えることのできる性格であることが要因として大きいとも。
「だから打席に入っても余裕があるのだと思います。満塁ホームランは狙って打ったんじゃないかな」。そう笑う和田監督の厳しく選手を管理しない指導が井坪選手の個性を伸ばしている。
OBも
そんな勝負強いチームのカラーを証明するのが、先ごろまで行われていた甲子園での同チームOBの活躍だ。4人が出場し、そのうちの一人、小田康一郎選手が1年生ながらベスト4まで進んだ中京学院大学付属中京高校(岐阜県)の主軸として活躍。県予選の決勝戦や本大会の好機でヒットを放つ勝負強さを見せた。
「小田さんは幼稚園の頃から一緒に白球を追ってきた友だちのような先輩。来年は私も甲子園に出たい」と井坪選手は先輩に憧れの眼差しを向ける。
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