東中野の多摩キャンパス内グラウンドを拠点とする中央大学硬式野球部が先ごろ、15年ぶりとなる東都大学野球・秋季リーグの優勝を決めた。昨シーズン、最下位に甘んじるなど、近年低迷していたチームの急浮上の背景には就任3年目の清水達也監督の手腕がある。
1930年創部の中大野球部は今回を含め25回の東都大学野球リーグ優勝を誇る大学野球界屈指の名門校。今シーズン限りで引退した読売ジャイアンツの阿部慎之助選手や同僚の亀山善行、澤村拓一両選手ら数多くのプロ選手を輩出してきた。
しかし、近年は成績が低迷。昨シーズンは春、秋ともリーグ最下位となり、下部(2部)1位の大学との入替戦にまわることに。そんなチームが結果を残し始めたのが今年。4・5月に行われた春季リーグで2位となる好成績を収めると、9月から始まった今リーグでは開幕から5連勝を果たし、1敗は喫したものの、その後も勝ち続け15年ぶりのリーグ優勝を果たした。
99年から9年間監督を務めた後、コーチを経て2年前に現職に復帰した清水監督は「リーダーとなるべき4年生が意識高くチームを引っ張ってくれたことが大きい。おかげでみんな自信をもってプレーできるようになった」と話す。
自己判断できるように
清水監督が低迷していたチームを蘇らせるべく取り組んできたのがナインの意識改革だ。監督に再就任した直後、プレーに対して指示待ちの選手が多かったことから、個々で自己判断できるように、と指導にあたってきたのだという。「例えば、走塁で塁上のコーチを見て進塁するかどうかを判断するのではなく、自身の考えで進むかどうかを決められる選手に、と考えてきました」と監督。そして、それは思い切ったプレーを実現させ、技術力を高めることにもつながった。
一方で、有力高校生のリクルートにも力を入れてきたのだという。しなやかなプレーができる選手を――。そんな視点をもって清水監督が勧誘してきた選手らが今シーズン成長。優勝に貢献した。清水監督は「他大学との差はない。だからこそ、心の部分が大切となる。昨年入替戦を勝ち残り、選手たちがタフになったことも優勝の要因になったと思います」
中大ナインが通う、堀之内の合宿所近くにあるラーメン店「にんにくや」の関大輔さんは「4年生が下級生をよくまとめた結果だと思う。優勝おめでとう」と学生らの活躍に目を細めている。
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