恩方地域を流れる浅川沿いは現在もバスの通行が一部のみなど台風19号による被害の影響が続いている。観光資源のひとつである釣場は営業再開のめどがたたない。川の漁業権を持つ恩方漁業協同組合(上恩方町)の野村福松代表理事組合長(72)は「まずは生活道路の復旧が何より。あとこの川の濁りが何とかなれば」と嘆いた。※24日取材
稚魚エラ病2千匹放流
12日の台風通過からおよそ2週間が経ったが、川の濁りは収まらない。「いつも台風のあとでも2、3日で元の状態に戻った。こんなことははじめて」
組合は川の水を利用した養殖池で稚魚を育てている。その水の濁った状態が続いたため、池にいた数匹のニジマスやヤマメがエラ病にかかってしまった。他の稚魚もかかる可能性があったため20日、2000匹を放流した。例年この時期は来年4月第1日曜日の解禁にむけ、3万匹を養殖しなければならないが、現在池は水もない状況だ。
年間4000人以上が訪れる組合の釣場「北浅川恩方ます釣場」(上恩方町)をはじめ、川沿いにある「八庵」「辻野養魚場」(いずれも同町)も土砂などで被害を受けた。八庵の渕上忠晴さん(63)は「こういう環境で営業しているので、被害も想定し覚悟はしていた。今後の見通しはたっていないが、くよくよしてばかりもいられない」と前を向く。「恩方の魅力だから。続けていかないと」
応援ありがたい
川の被害は先日、NHKのテレビ番組で紹介された。対応した野村さんは「おかげで多くの応援メッセージをいただいた。本当にありがたい」と話した。組合は再び川が澄むのを待ち、来春にむけ1日も早く準備を進めたい考えだ。
なお恩方地域は25日時点で路線バスの通行が一部区間のみとなっている。
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