置屋ゆき乃恵(中町)のてる葉(は)さん(21)がこのほど「半玉(はんぎょく)」から「一本」の芸妓となった。秋田から上京し3年。「一人前」としてスタートラインに立つ。「何でもできる、めぐみお母さんのようになりたい」と夢を語った。
10月上旬に市内でお披露目会があり、その場でゆき乃恵の女将めぐみさんが一本(一人前)の芸妓として、てる葉さんを紹介した。
てる葉さんは秋田県の出身。子どもの頃から時代劇が好きで、その影響から「お着物を着る仕事に就きたい」と思うようになったそう。高校卒業後、八王子花柳界の門を叩いた。インターネットで検索する中で、ゆき乃恵へたどり着いたそう。
「お会いして、ここに入りたいと思いました」。てる葉さんは当時を思い出す。「色が真っ白の秋田美人さん。元気がいい子という印象があります」とめぐみさん。めぐみさんは5年ほど前、縁があり秋田のイベントに出演したことがあった。てる葉さんがゆき乃恵を選んだのは、その話題を知っていた高校の担任の推薦もあったそうだ。
18歳で住み込み暮らし。全てが初めての経験で、「二十歳になるまではとても長かった」と振り返る。厳格なイメージがある花柳界だが、「ドキュメンタリー番組を見るなどして、構えていました(から大丈夫でした)」と笑顔で話す。めぐみさんによると現在、半玉(18歳から20歳までの芸妓見習い)のなり手はとても少ないそうで、そこからさらに「一本」が誕生するのは「八王子においては何十年ぶりのことと思います」と目を細めた。
踊りはそれまで未経験で、地元では新体操に勤しんでいた。実は双子で兄は秋田で暮らしている。趣味はホラー映画の観賞。「子どもの頃から好きで。兄も同じです」とはにかむ。なお、てる葉という名は、茶道で使われる「照葉(てりは)」という言葉の「葉がキラキラと光るイメージ」から付けられた。
半玉の時は、髪は自毛で結っていたが、今は「日本髪のかつら」になった。着物は振り袖から「普通の袖丈」に変わった。この秋からは三味線を習い始めた。コロナ禍でお座敷仕事はほとんどない中、稽古の日々が続く。めぐみさんは「今できることを」と励ます。憧れは、もちろんめぐみさん。てる葉さんは「お母さんのようにうまく弾けるように。何でもできるようになりたいです」と話した。
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