八王子を拠点に活動し、三段跳びで東京オリンピックへの出場を目指す 角山(つのやま) 貴之さん 江東区在住 35歳
「可能性」が陸上の魅力
○…ランキング1位で臨んだ2013年の日本選手権。世界陸上の標準記録を超える大ジャンプはファールとなり幻の記録となった。優勝できなかったことで一時は陸上を辞めることを考えた。しかし、その年の9月に東京オリンピック開催が決定。「その時は35歳になっている。最後の挑戦がしたい」と再び闘志を燃やした。そして迎えた2020年の大会は新型コロナウイルスの影響を受けて中止になった。
○…ショックは大きかったが、その年の夏から秋にかけて、自身がコーチする小学生がコロナ禍に特別に開かれた大会で好成績を収めたり、大学時代の同期が資金を支援してくれるように。そこから前を向けるようになったという。年末にはクラウドファンディングにも取り組んだ。コーチ経験を生かした走り方教室などをリターン品としたユニークな取り組みも評判を呼び、199人が支援をした。
○…小学生の頃に走り幅跳びで区の記録を更新するなど、運動神経は抜群だった。競技を続けていく中で、大学ではもっとも得意だった三段跳びを選んだ。「好きとかではなく、勝てる可能性があるから」。それが陸上の魅力でもあるという。「陸上は裾野が広い。色々な子に可能性がある。好きになれる競技を見つけてほしい」。現在、週の半分は八王子市内で小中学生に走り方教室で指導するなど、後進の育成にも力を注ぐ。
○…「オリンピックの三段跳びは世界で32人しか出られない夢の大舞台」。ランキングを上げるために必要な試合はコロナでほとんど中止。現実的な選択肢は世界選手権参加標準記録の17m14を跳ぶこと。自己ベスト16m40。「日本人では誰も出場できないかもしれない。でも、出場の可能性に賭けてみたい」
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