滝山城が今年、築城500年を迎えた。市と地元住民らはこの機会にその魅力を多くの人に知ってもらおうと、PRに力を入れている。一方、滝山城のある「加住地区」を紹介する2冊の冊子も発行され、3月末には記念碑も完成した。大きな節目に対して、様々な盛り上がりを見せつつある。
山城
滝山城は1521年(大永元年)、当時武蔵国を治めていた大石氏により築かれたとされる。加住丘陵の地形を活かし堀や土塁、虎口などを巧みに配置し造られた「山城」だ。
大石氏が関東の戦国大名北条氏の支配下になると、滝山城は北条氏の居城となった。北条氏照が城主の際、大拡張された。
1569年(永禄12)にはおよそ2万の武田信玄軍に攻め入られるも、わずか2000の北条勢で守り抜いたと言われている。その防御力の高さでもよく知られている。
名城
国史跡でもある滝山城跡は全国でも有数の「中世城郭跡」という。2017年には「続日本100名城」にも選定(公益財団法人日本城郭協会)。2020年に文化庁から発表された日本遺産においては、八王子のストーリー「霊気満山 高尾山」が認定され、滝山城跡はその構成文化財のひとつとして位置づけられた。
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500年を機に「滝山城の魅力を広く知ってもらおう」と市観光課や地元の町会・自治会などにより「滝山観光まちおこし実行委員会」が組織された。実行委員会では滝山城のPR事業として西東京バス(株)の路線バスに「すべての市民に知ってほしい」とのメッセージを施した「ラッピングバス」の走行、都立滝山公園での「ワードラリー」、ポータルサイトの開設、応援サポーター「北条氏照武者隊」の結成、動画作成などを展開している。
冊子
一方、滝山城跡文化協会はこのほど2冊の冊子を発行した。
その1冊「滝山城を中心とした加住地区略年表」は、加住町在住の渡部恵一さんが編集したもの。1521年2月の「山内上杉氏の重臣で、武蔵国の守護代大石定重が滝山城を築城し、高月城から移ったという」に始まり、2021年1月の「創価大学駅伝部、第97回箱根駅伝に出場。往路優勝、総合2位の成績を収める」という内容まで、加住地区で起こった様々な出来事を21ページにわたり紹介している。
もう1冊は「加住の歴史散歩―谷地庄滝山郷から加住地区へ―」。2018年(平成30)に高月町の澤井榮さん(故人)が執筆したものを今回、同協会が特別増刷版として発行した。冊子についての詳細は【電話】042・691・5215へ。
記念碑
滝山街道にある滝山観光駐車場(丹木町)近くにこのほど、「滝山城築城500年記念碑」が完成した。碑は地元有志により製作され、市へ寄贈された。3月28日には除幕セレモニーが行われ、石森孝志八王子市長、萩生田光一文部科学大臣をはじめ多くの来賓が訪れた。
主催団体の一つである同協会の大澤敬之会長は記念碑について「我が街の歴史と郷土愛が次代へ受け継がれていくよう願いを込めました」と話した。
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