八王子市は4月1日より組織改正を行い、新たに「デジタル推進室」を発足した。市が取り組むデジタル化の施策に対して、組織内で横断的に取り組んでいくという。中嶋徹室長に話を聞いた。
市民視点重視
「室」は「部」相当の組織にあたり、室長は部長級職員が務める。前身にあたる部署としては「情報管理課」(今年3月まで)があるが、そのときから人員を増やして31人態勢になる。また、アドバイザーとして外部からの有識者で非常勤の「デジタル推進専門官」2人が配置される。設置期限は5年。
東京都ではデジタルサービス局が4月からスタートし、国のデジタル庁も今年9月に開設予定だ。設置はこれらにも対応するもの。その上で中嶋室長は「把握している範囲内で、専門官の任用や、部に相当する室の立ち上げは、他市ではあまり聞かない」と、市がデジタル化に注力している姿勢を示した。市のデジタル化の方針については「早い時期に提示していきたい」とし、中嶋室長は「市民視点での『便利』『豊かさ』といったメリットを強く出していきたい」と話す。
スマホで住民票
デジタル化によって、市民生活にどのような利点があるのか。「たとえば、住民票の写しなどを、スマートフォンで本人確認をして、キャッシュレスで手数料を払うことができるようになります(手元には郵送で届く)」
今年度から市が新たに取り組むデジタル化施策はいくつかあるが、市民生活に直接かかわる部分では、24時間問い合わせが可能となるチャットボット(自動回答システム)や、外出することなく住民票の写しや税証明などの交付を受けられる「オンライン申請」、各種証明書のコンビニ交付などがある。同室では、これらについて市役所内で関係する部署との連携などに関わっていく。
デジタル化のメリットとしては「職員の効率化」という視点もあるという。例えば窓口業務の人員を減らすことで「より市民に寄り添った相談に人的資源を振り向けられる」という。
今後の課題としては、デジタル化に不慣れな人へのフォローが挙げられるという。「できるだけ多くの人が(様々なデジタルサービスを)使えるように支援にも力を入れていきたい」。一方で、「すぐにでも窓口業務がなくなってしまうわけではない」と説明した。
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