「子ども食堂」というと、多くの人が「夕食」を子どもにふるまうイメージがあるのではないだろうか。しかし、全国的にも珍しい「朝食」を提供するこども食堂が北野町にある=写真下。
「子ども食堂カフェ北野」は、コロナ下の2021年4月にオープン。7月から「きたのあさごはん」と称し、平日の午前6時45分から8時30分まで、子どもが無料で利用できる(大人は300円)。メニューは具だくさんのスープや近隣店から提供を受けたパンなど。食べにやってくるのは1日30〜40人。約8割が近くにある由井第一小の生徒だという。自分たちで配膳し、友達や親、地域の人たちとテーブルを囲む。
この試みは徐々に地域へ浸透し、昨年度は来店人数子ども6761人、付き添いを含む大人857人が朝食の時間帯に訪問。提供回数は1年の約3分の2にあたる236回にのぼった。
「朝食欠食児」改善の一助に
始めたきっかけは、同小の当時の校長から聞いた「朝食欠食児」の話。朝食を食べないと授業に集中できず、運動や学力にマイナスの影響があるとされているが、家庭や学校だけでは解決が難しいのが現状だった。そのような中、「子ども食堂としてできることをしたい」と同食堂が手を挙げ提供を開始。同小でもカフェ北野の取り組みを保護者向けに周知し、子どもにとって「第3の居場所」となるよう連携している。
同食堂の奥野玉紀理事は「給食が楽しみで学校に行く子がいるように、ここでの朝ごはんが楽しみで家を出る子もいる」と話す。「保護者の負担を減らしたい」との思いも。友人同士、平日は食堂で朝食をとり、揃って由井第一小に向かう児童の姿も見られるのだ。不登校の子が食堂での朝ごはんをモチベーションとしてやってくるケースもあるという。
子ども食堂は貧困問題と一緒にされることが多いが、「子どもたちを見ていてそのような印象は見受けられない。学校と家以外の場所である、地域とのつながりを求めているのではと感じる」と奥野理事。そのつながり方は朝食提供に限らない。長期休みの昼ごはん提供や曜日限定のカフェ、駄菓子屋、学習スペースとして食堂を開放するなど、「地域と子どもをつなげる場」として機能している。
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