滝山町の東京純心女子中学校・高等学校(森扶二子校長)は8月9日、「純心祈りの日」と題した平和学習を実施した。長崎原爆の日に合わせた特別授業で、中高の全校児童300人以上が参加。教室ごとでの話し合いや、長崎市で行われた原爆犠牲者慰霊・平和祈念式典の生中継映像の視聴、黙とうが行われた。
同校は1934年、長崎市に創立したカトリック修道会「純心聖母会」が設置母体。翌年、市内に誕生した純心女学院では、原爆投下により生徒や教職員214人が亡くなった。こうした経緯を踏まえ、東京純心女子中高では「平和教育」に注力。高2の長崎研修旅行では、原爆遺構の見学や姉妹校との交流会を実施している。
全校登校2年目に
8月9日はこれまで任意で祈りを捧げる日だったが、昨年から「純心祈りの日」として全校登校日に。姉妹校の生徒や、被爆の犠牲となった人々を追悼しようと、平和について考えるプログラムを組んでいる。
今年は、姉妹校の近くにあり、被爆した山里小学校を特集したNHK番組を視聴。クラスごとにグループディスカッションを行い、番組への感想や長崎原爆の日に対する考え、平和学習の意義について意見を出し合った。印象に残ったことなどは各々、全校生徒が在学中に使用する「8月9日ノート」に記録した。
その後、全校生徒は講堂に集まって長崎市の平和祈念式典の中継を視聴。市長や市議会議長の式辞、被爆者代表の工藤武子さんらの言葉に耳を傾け、11時2分からは犠牲者の慰霊を込めて1分間の黙とうを捧げた。
純心教育部の部長・今尾美枝子教諭は「長崎の原爆は東京純心の原点。2年目の『祈りの日』を迎え、生徒たちからは長崎や平和のことについて知ろうという姿勢を感じた」と総括。「人間の尊厳が保たれているのが平和だが、それを最も傷つけられるのが戦争。今後は生徒たちに、平和のために何ができるか気づいてもらい、どんなことでも行動に移してもらいたい」と思いを込めた。
八王子市などの主催で8月5日に行われた平和展のパネルディスカッションには、同校高2の伊巻奏さんと坂田結衣さんが参加。戦争の語り部らと意見を交わした。坂田さんは9日、「今年のオーストラリア留学で、ホストファミリーと核兵器について話をした。5月の長崎研修旅行では語り部から体験談を聞き、戦争は相手に意見を求めるのではなく、自分で考えなければいけないと思うようになった」と回顧。「唯一の被爆国として、戦争の重みを具体的に世界へ発信する必要がある」と決意を固めた。
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