七国に工場をもつ株式会社榮太樓總本鋪(本社=中央区)が、7月から八王子産のパッションフルーツ果汁などを使用する「八王子キャンディー」を”復活”させた。東浅川町にあった佐久間製菓の八王子工場でつくられていた同キャンディーを、同社の廃業を受け、レシピを受け継ぎバトンタッチした形だ。
「八王子キャンディー」はもともと「サクマ式ドロップス」で有名な佐久間製菓(豊島区)が製造していたもの。八王子の名産のひとつで、学校給食にも登場するパッションフルーツの果汁などを使っており、独特のトロピカルな香りや甘酸っぱい味わいが特徴だ。東浅川町にある同社の工場で製造されていたが、昨年115年の歴史に幕を下ろし、同キャンディーも販売終了になった。
地元でも惜しむ声が聞かれたが、市内に工場を持つ菓子製造会社という共通点から、榮太樓總本鋪がこのキャンディーを復活させることに。榮太樓總本鋪は佐久間製菓からレシピを受け継ぎ、同社監修のもと、新生八王子キャンディーをつくった。まったくのコピーというわけではなく、「長年培った榮太樓の技術をもって飴を再現した」と同社広報は話している。
一方で、果汁を提供するJA八王子パッションフルーツ生産組合長の町田紘一さんは「人気の商品だったので、(継続販売すると聞いた時は)良かったと思った」と胸をなでおろす。
同キャンディーは以前から、八王子の文字を前面に出したパッケージで、市内のみならず旅行客が買う「名入りお土産」としても重宝されている。スーパーマーケットなどで販売しており、スーパーアルプスの一部店舗では、特設コーナーを設け地元産キャンディーの再販を応援する。
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