市内在住のブラインドダンサー西梨沙さん(41)と、ダンスパートナーの根岸浩人さん(50)のペアが9月に江東区で行われた「全日本ブラインドダンス選手権大会」に出場。ワルツやルンバなどを含む4種目で優勝を果たした。優秀な成績を収めたことを初宿和夫市長に報告するため10月11日、八王子市役所を訪れた。
ブラインドダンスは、視覚障害者が参加する社交ダンス。同大会では、女性が視覚障害者の「パートナー部門」と男性が視覚障害者の「リーダー部門」があり、2人はパートナー部門に出場。どちらも一般の競技会と変わらないルールで行われている。
9月23日に江東区にあるホテルイースト21東京を会場に行われた第18回大会には19組が出場。ワルツ、タンゴ、チャチャチャ、ルンバの4種目で演技を披露し、すべての種目で優勝した。同大会で4種目すべてで優勝を果たしたのは西さん・根岸さんのペアが初めてだという。西さんは「喜びよりも驚きの方が大きかった。ベテランの方々が出ていたので、優勝は難しいのではと思っていました」と話す。
西さんは5歳のころに目の病気が発覚。進行性で、24歳の頃には白杖を使うように。現在は強度の弱視と診断されており、視界は真っ暗ではないが目の前に分厚い曇りガラスがあるような感覚だという。
信頼が育むペアの実力
西さんと根岸さんがペアを組んだのは約5年前。ガイドヘルパーとして活動する根岸さんとともに八王子視覚障害者福祉協会のブラインド社交ダンス同好会に所属。各々研鑽を磨きつつペアでも練習を積み、2人は一般の競技会にも参加。多くの大会で優秀な成績を収めるほどの実力を磨いてきた。
ブラインドダンス選手権ではこれまで、ラテン系のルンバとチャチャチャでは優勝経験があったが、ワルツとタンゴのスタンダード系では3位が最高位だった。「今回、全日本選手権のスタンダードは頑張りたいねと2人で話していました」と根岸さん。
西さんによると、ダンスホールでは速いスピードで移動するため、視覚に障害があると恐怖を感じる。そのため、リードしてくれるパートナーとの信頼関係が何より大切だという。
今後の目標について2人は「練習が楽しい。これからも勝ち負けにこだわらず、楽しく踊りたい」と揃って答えた。
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