八王子のシニア世代約20人が所属する編み物サークル「いずみアミーゴ」が11月、ウクライナの子どもたちに暖かさを届けるため1205個の「どんぐり帽子」を完成させた。同月下旬には、支援団体を通じ現地に送られる予定。
「1000個を目標にスタートした。たくさんの人に協力していただいた」と振り返るのは、サークルで講師役を担う小林良子さん(76)。同サークルは、認定こども園せいび(南大沢)が運営する「子育て広場いずみ」が活動拠点。近隣の編み物好きが集い、月1回のペースで子どもたちのおままごと道具などを制作している。今回、ラブ&ピースプロジェクトと題し6月から支援活動を開始。家に眠る毛糸の寄付を募ったり、編み図を記載したチラシを配ったりと精力的に声をかけたところ、たくさんの毛糸や完成品が寄せられた。「見ず知らずの人から100個の帽子を受け取ったときは感無量でした」と小林さん。
活動場所を提供する同園の折井真美副園長は、送り先を見つけるために奔走。数々の支援団体に連絡を取ったが物資よりも現金が望ましいとされることが多く、なかなか協力団体が見つからない中、諦めずに紹介された大分県の団体に連絡すると、11月に車いすを現地に送る予定なので、その中に同梱してくれることになったという。「日本の"ばあば"の想いを汲んでくれた」と喜ぶ折井さんとメンバーら。
サークルを見守る高齢者あんしん相談センター南大沢の青山百合香さんは「編み物のコミュニティは想像以上に広がった。仲間づくりだけでなく社会貢献までできるなんて」と話している。