市立東愛宕中学校(千葉正法校長)と地域団体・楽農倶楽部多摩(新井文夫代表)はこのほど、「愛宕アカデミーHONEYプロジェクト」を立ち上げ、協働で養蜂活動を行うこととなった。同プロジェクトは、これまで同校が取り組んできた「ESD(持続発展教育)」を発展させ、学校、地域、専門機関が連携・協働して養蜂に取り組み、そこで収穫したハチミツを使って商品化し、子どもたちの地域貢献、キャリア教育、町おこしにつなげていきたい考えだ。
ユネスコスクール(ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校)に認定されている同校は、現在、多摩市の目指す「2050年の大人づくり」への取り組みとして、生徒自らが学び、実践する「ESD」の学習を進めている。「Web会議による被災地や世界中のユネスコスクールとの交流」「自助・共助の防災教育の推進」「グリーンカーテンを活用したCO2削減・省エネ」「ESDの視点に立ったキャリア教育の推進と職場体験の充実」などの活動を行っており、全国でESDを積極的に実践している学校を奨励する「ESD大賞」(NPO法人ESD推進フォーラム主催)で、昨年度は中学校部門、今年度は審査員特別賞を受賞した。
そうした活動の中で培ったものを活かし、新たなESDへの取り組みを行おうと発足したのが「愛宕アカデミーHONEYプロジェクト」だ。きっかけとなったのは、グリーンカーテン等で市内の学校の支援を行っている楽農倶楽部多摩の新井代表が同校の千葉校長に話をしたことから。同団体は、仕事をリタイヤした人たちで野菜作りを楽しみ、野菜を媒介にした地域の町おこし活動を行っており、その一環として養蜂に着目。子どもたちと一緒に取り組もうと、以前から親交のあった千葉校長に打診し、保護者からも了承を得たことから、プロジェクトの発足に至った。
多摩市の名産に
同プロジェクトは、楽農倶楽部多摩や、すでに養蜂に取り組でんいる稲城市立第三中学校、玉川大学学術研究所、養蜂家と連携・協働しながら、学校に巣箱を設置してミツバチの生態を学ぶだけでなく、ハチミツを生産。そのハチミツを使って商品化し、多摩市の名産に押し上げていくことを視野に入れる。一連の活動を通して、子どもたちに地域住民との交流や、商品化、販売することでマーケティングやブランディングを学び、キャリア教育、起業家マインドを育成し、地域活性化へとつなげていくことがねらいだ。
今年2月中位までに巣箱2箱(1箱=約4万匹)を設置し、徐々にその数を増やして今春にハチミツを収穫する予定で、防護服や薬を常時配備し、学校医との迅速な連携など安全面に配慮しながら進めていきたいという。
「蜂との上手な付き合い方を子どもたちに学んでもらい、取れたハチミツを使って商品化することで、経済について学んでほしい。近隣の乞田川の桜などが蜜源になる。桜のハチミツは珍しいそうなので、それを多摩産のハチミツとしてブランド化できたら」と千葉校長は話す。
現在、同プロジェクトへの資金集めを楽農倶楽部多摩が行っており、地域へ呼びかけを行っているという。
新井代表は「養蜂の楽しさを子どもたちに伝えていきたい。ぜひ地域の方々に支援いただければ」と話している。問い合わせは、同校042・374・9781、または、千葉代表【携帯電話】090・2435・0605へ。
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