2027年に東京〜名古屋間で開通をめざしているリニア中央新幹線。中間駅となる神奈川県駅(仮称)が橋本駅周辺(相模原市)に設置されることに伴い、周辺地区のまちづくりについて話し合う相模原市の諮問委員会は現在、京王線橋本駅の移設について検討を進めている。
検討しているのは2014年8月に相模原市が発足した、学識経験者や市民、交通事業者、行政などで構成される広域交流拠点整備計画検討委員会。その地区別組織である橋本駅周辺地区小委員会で、リニアの開業に向けて、京王線駅移設も含めた橋本駅周辺のまちづくりについて議論してきた。
計画中のリニア改札は現在、JR線駅改札と250m超、京王線駅改札と300m超の距離が離れており、高低差も約30mある。現状のままでは在来線とリニア駅との乗換えが不便であり、まちの賑わいも分散してしまうと懸念されていた。そこで京王線駅改札口を、市がまちづくりの中心として構想する「交流・賑わいの軸」上に移設することで、最も人通りの多いJR線と京王線の間の通路を「交流・賑わいの軸」と一致させることができ、リニア改札への乗換え利便性の向上に加え、賑わいの創出も図ることができるとしている。
小委員会では、メンバーである京王電鉄株式会社(本社・多摩市関戸)が移設の技術的検討を行い、結果を報告し、それをもとに協議・調整を進めてきた。現在は京王線の線路の位置を変えて、駅をリニア改札口に近付ける案が提示されているが、この場合移設された駅舎によって、街区が分断されてしまうデメリットもあげられている。移設については京王電鉄や関係機関などとの丁寧な協議・調整が必要であるため、現段階では移設する案としない案を並行して検討・整理を進めているという。
小委員会でまとめられた案をもとに、広域交流拠点整備計画検討委員会が今年度末、答申として相模原市に提出する予定となる。
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