今年4月から市立愛和小学校と統合され、40年の歴史に幕を閉じる市立西愛宕小学校。西愛宕小の体育館で3月5日、「閉校式」が行われた。大勢の保護者、卒業生、地域の人たちが見守る中、全児童64人が学校の思い出、歴史を振り返る表現「西愛宕小学校物語」やオリジナル曲を披露すると、体育館は笑顔と涙にあふれた。
西愛宕小は、多摩ニュータウンの開発が進む1976年に、児童数が急増していた東愛宕小から分かれる形で新設。学級数13、児童数413人でスタートした。「よく考え、たくましく生きる子」「なかよく、助け合う子」を教育目標に掲げ、地域に支えられ、地域と共に歩んできた。この40年で同校を巣立った子どもたちの数は、延べ2195人。女子サッカー日本代表の横山久美選手や、タレントのローラさん、映画監督の豪田トモさんらも同校の卒業生だ。
その児童数は1982年の714人をピークに年々減少。近年、近隣の市営・都営住宅の少子高齢化が進み、隣の東愛宕小も学級数、児童数が減少していたことから、両校の統合が検討され、2014年多摩市議会12月定例会で西愛宕小の閉校・統合が承認、決定された。
先の東愛宕小は一足早く昨年3月に閉校し、同校を母体に多摩第二小の一部学区を編入する形で昨年4月に愛和小学校として開校。統合後の今年4月からは、新1年生を加えた約280人でスタートするという。
次の出発へ
西愛宕小ラストイヤーとなるこの1年間は、地域の企業や団体、住民の協力で、移動動物園、弦楽4重奏コンサート、劇指導、モザイクアートでギネス記録に挑戦するなど、様々な行事を行ってきた。
そして、迎えた3月5日の閉校式。多くの来賓や、卒業生、地域住民ら400人以上が見守る中、厳かに開式。岡田啓孝校長が式辞を述べ、阿部裕行市長や第7代校長の山本和洋氏らが挨拶を行った後、全児童が「西愛宕小学校物語〜さようなら西愛宕小学校〜」と題して、歌や劇、ソーラン節を交えながら学校の歴史や思い出を体いっぱい、全力で表現。閉校に合わせて作ったオリジナル曲『木の葉の思い出』を披露すると、体育館は児童の勇姿と閉校への思いからか涙を流す人たちで溢れた。
閉校式終了後には、閉校を記念し児童たちの作品が掲示された校舎やラッピングバスが公開され、保護者や卒業生たちが笑顔で記念撮影を行っていた。4年生の男子の母親は「閉校は残念だし寂しい。最後の1年間は思い出に残る行事がたくさんあって子どもたちは良い経験ができたと思う。閉校式は、40年分の思いが詰まっていて感動した」と名残惜しそうに語っていた。
同校最後の校長となった岡田校長は「『40年分のありがとう』をテーマに、地域に愛された学校だったことや、代々の子どもたちの思いが詰まった会にしたかった。児童たちはその思いをいっぱいに表現できていた」と式を振り返り、「閉校は暗いイメージがあるが、次の出発の形づくりの意味合いもある。子どもたちには、ここで学んだことを愛和小で発揮してほしい」とエールを贈った。
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