福島県浪江町の子どもたちと多摩市の子どもたちをつなぐ交流イベント「浪江と多摩をつなぐふるさとのつどい」が1月21日、関戸公民館ヴィータホールで開催された。福島第一原発事故の影響で避難している転校生へのいじめ問題を受けて、町立浪江中学校、市立落合中学校の生徒がそれぞれ全国に避難している子どもたちへ「ひとりじゃないよ」とメッセージを贈った。
同イベントを主催したのは、桜ヶ丘商店会連合会と、せいせきさくら祭り実行委員会。両会は東日本大震災以降、毎年4月に開催している「桜まつり」等で復興支援を行っており、今回のイベントも「桜まつり」のプレ企画として行われた。
今回、浪江町から多摩を訪れたのは浪江中学校の生徒6人。福島第一原発事故の影響で全町避難を余儀なくされ、現在隣の二本松市で、生徒数17人で授業を再開している。一方の多摩市からは、落合中学校の吹奏楽部33人が参加した。
当日は「ひとりじゃないよ!!福島第一原発事故で避難しているみんなへ」と題し、浪江中の渡邉なつみさん(2年)、落合中の渋下すみれさん(2年)らがそれぞれ全国に避難している福島の子どもたちへのメッセージを読み上げた。渡邉さんは「福島から離れていても、同じ福島県の中学生として同じ気持ちでいること、周りにはいつも応援してくれている人たちがいること、手を差し伸べてくれる人がいること、ひとりじゃないんだよということを伝えたい」と語り、渋下さんは「『みなさんはひとりじゃない』。私たちにできることはメッセージを発信し続けること。どんなに小さな力でも、それを寄せ集めれば大きな力になるはず」とメッセージを贈った。
その後、浪江中の生徒たちが武道の授業で取り組んでいる空手の型や、多摩市空手道連盟の楊心館と一緒に力強い演舞を披露した。落合中の吹奏楽部は歓迎演奏として今話題の『恋』をダンスを交えながら披露すると会場からは大きな手拍子が巻き起こり、浪江中の3年生が作詞した『未来の光へ』や同校の校歌などを両校生徒、来場者が一緒に歌いあげた。
今回の多摩市訪問について渡邉さんは「皆さん優しい方々で交流を深められて良かった。新しい出会いを大切にしていきたい」と話していた。同連合会の三橋誠会長は「できることは小さいことかもしれないが、震災を風化させてはいけない。地域のみんなで考え、これからも継続していきたい」と意欲をみせた。
![]() 空手の演舞を披露する浪江中の生徒たち
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![]() 『恋』を演奏、ダンスを披露する落合中の生徒たち
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