65歳以上の独居高齢者や高齢者のみの世帯を地域で見守ろうと、昨年10月末に中部包括支援センター内に開所した「中部高齢者見守り相談窓口」。同窓口では現在、多摩市の委託を受けて、緊急連絡先や地域活動に参加しているかなどの状況を把握するため、戸別訪問を行っている。開所から3カ月が経過し、対象となる1488世帯のうち約半数を訪問。状況が把握できたのは4割程度だという。現状を相談員の木下公大さんに聞いた。
多摩市内の中でも65歳以上の独居高齢者や、高齢者のみで暮らす世帯が多く、介護認定・要支援認定率が高い永山地区。同地区の支援機能を高めるため、昨年10月に「多摩市中部包括支援センター」が貝取地区から移転。同センター内に「中部高齢者見守り相談窓口」が設けられた。
同窓口は、65歳以上の単身世帯や高齢世帯の名簿を作成し、大規模災害等が起きた時に備え緊急連絡先や、見守りの必要性の有無などの実態を把握するための戸別訪問を行う他、見守り協力員の研修、見守りが必要な人と見守りする人のマッチング、地域関係者と見守り連絡会を実施するなどの役割を担う。市ではこれを「永山モデル」として試験的に取り組み、検証していくことで、今後、他のエリアでも進めていく意向を示している。
当初は話を聞いてもらえず
その戸別訪問を行っているのは、地域相談員の木下公大さんだ。今年度は、試験的に永山3・4丁目で実施。1488世帯2006人が対象となっており、開所当初に対象世帯にチラシを投函し、訪問を開始した。いざ各戸を訪れるものの、インターホン越しに最後まで話を聞いてもらえない、まったく出てもらえないことが多かったという。話が出来た人から「本当かどうか疑わしかったから」という話を聞き、市と協議し、市の封筒にチラシと一緒に案内文も同封して、再度投函。1月に入ってから徐々に連絡先や状況に答えてくれる人が増えてきた。「訪問しながら月曜から土曜の午前8時30分から午後5時まで窓口を開けることで、この場所にあることをようやく認知してもらえだした。口コミで戸別訪問をやっていることが広まったのも大きい」と木下さんは話す。
支援要請は5人
1月30日時点で約半数の1004人を訪問し、そのうち回答してもらえたのは約4割。すでに包括支援センターやケアマネジャーにお世話になっている人が多い一方で、現状に困っていると答えた人は2人、見守りが必要と判断し地域包括支援センターに支援の要請をした人は5人いたという。
「元気だから困った場合のイメージがわかないという方、ご本人は必要ないと思っていても我々が見て支援が必要という方もいる。元気であればそれに越したことはないが、『元気だよ』と窓口に顔を見せてもらえたら状況がわかるので、それを伝えてもらえれば」と木下さんは呼びかける。
今後は、3月末までに残りの世帯を訪問していく予定。木下さんは「『早くうちに来てね』と言って下さる方もいる。世間話などどんなことでも構わないので、ぜひこの窓口を利用してほしい」と話している。
周知の徹底が課題
市では、来年度から戸別訪問の対象を中部包括支援センターの担当区域(永山2〜7丁目、貝取2〜5丁目、豊ヶ丘2〜6丁目、南野1丁目)に広げていく意向だ。「地域によって住民意識が違う。もっと事前に戸別訪問実施の周知が必要。今後は自治会、ボランティア、見守り協力員の方々の協力を得て活動を行っていければ」と木下さんは今後の課題を語る。
市高齢支援課では「今回新たに支援が必要な方が5人いたことが判明したのは、この取り組み、相談員の方の力があったから。地域の方たちの力を借りてフォローアップし『永山モデル』として地域で仕組みづくりを進めていければ」と話している。
![]() 投函されているチラシ
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