集合住宅で快適に長く住み続けるために、「エコ+リノベーション」で団地やマンションの価値を高めることを考えようと企画された「エコリノシンポジウム」が2月12日、永山公民館ベルブホールで行われた。
主催は、地元の建築、環境などの専門家や市民ら22人が協力して住まいの居住環境の向上や、環境負荷低減を目指して暮らしの質と価値を高める活動を行う「集合住宅環境配慮型リノベーション検討協議会」。多摩市の委託事業として活動を行っている。
当日は、2部構成で行われ、1部では、ノンフィクション作家で東京富士大学客員教授の山岡淳一郎氏が「マンションと住環境」をテーマに講演を行った。その中で、山岡氏は外断熱や防災などを例に挙げながら自立・連携が価値向上につながっていくことについて言及した。
また2部では、市が今年度、集合住宅配慮型リノベーションモデル事業として募集し、希望した集合住宅の中から選ばれた3つの管理組合に対して、同協議会のメンバーがそれぞれ提案を行った。
3パターンの提案
一つ目の管理組合は、築20年・全35戸のマンション。西日対策、最上階の暑さ、低層階でのカビ発生などを課題としていることから、太陽光等の再生可能エネルギーの導入や、外断熱改修、開口部の緑化対策などを提案した。
二つ目は、築33年の多様な住戸、住棟構成の団地。敷地内の緑や景観の劣化、結露・カビ対策などの課題に対し、団地の特長である緑を生かした「新里山とハナミズキの咲き誇る『ガーデンタウン』」をテーマにした改善や外断熱を使った提案を行った。
三つ目は、築40年、全270戸の団地。建物の長寿命化、設備アップや若い世代の流入などの希望等が挙がったことから、リノベーションモデルを提示。団地内住替え案として敷地内にバリアフリーの子どもと高齢者が寄り添う「ゼロ・エネルギー施設」の設置を提案した。
今回、同協議会が行った提案に対し、今後各管理組合が検討し住民の合意が得られれば実施に向けて動いていくことになるという。 同協議会では「今回は3つの管理組合が抱える課題等が異なり、異なるパターンの提案を行うことができ、自信を持つことができた。今後に繋がっていけば」と話し、重ねて「市民コンサルによる課題解決型の提案発表は、今回日本で初めてだと思う。サービスメニューを拡充し、コミュニティビジネスとして発展させていきたい」と意欲をみせた。
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