東京都が絶滅危惧二類に指定している山野草「ハタザオ」。市内で唯一多摩川の堤防にある自生地が、聖蹟桜ヶ丘駅北側の区画整理事業によって失われようとしている中、これを保護しようと公益財団法人多摩市文化振興財団の学芸員・仙仁径(せんにけい)さんらが11月28日、多摩第一小学校の児童と移植作業を行った。今後は同校に置かれたプランターで管理し、花が咲き種になった後は、多摩川の堤防に植え替えるなど、保存に向けて活動していくという。
「ハタザオ」はアブラナ科・越年草の植物で、洗濯竿のように茎を真っ直ぐ(約35cm〜135cm)に伸ばすことからその名がつけられた山野草だ。5月頃に花を咲かせ種になった後、枯れてしまうという。全国でも地域によっては絶滅危惧または絶滅危惧一類・二類等に指定されており、東京都では、北・南・西多摩地域で絶滅危惧二類に指定されている。南多摩地域では多摩川中流域の堤防にしか自生しておらず、市内では、京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター駐車場裏の堤防が唯一自生地として確認されていた。
現在、聖蹟桜ヶ丘駅北側周辺では、区画整理事業が始まっており、宅地、道路の造成工事が進められている。工事にあたり、事業者から市内の環境団体に配られた環境報告書の中で、他の希少植物について言及されていたものの、「ハタザオ」については触れられていなかった。そのため、市内を中心にした動植物の研究を行っている多摩市文化振興財団の仙仁さんが事業者や多摩市と交渉、調整を行い、移植して保護することが決まった。
移植にあたって、仙仁さんは、多摩市植物友の会の清塚和子さんに協力を依頼。多摩川の環境について普段から授業で学んでいる多摩第一小学校にも移植作業と保護後の管理を同校に相談し、快諾を得て作業を行うこととなった。
「貴重な植物絶やさないように」
当日は、仙仁さんと清塚さん、同校の4年生12人で、地面に寝そべるように葉を伸ばすハタザオ約30個体をスコップなどを使ってプランターに移し替えていった。今後は、学校で管理し、5月頃に花を咲かせ枯れた後は、種の状態で保存。神代植物公園(調布市)に協力を求めながら、再度多摩川の堤防に植えるなどを検討していくという。
今回移植作業を手伝った児童は「身近にないと思っていた絶滅危惧種が身近にあると知って驚いた。花が咲くのが楽しみ」と声を弾ませた。仙仁さんは「ハタザオは堤防などの日当たりが良く明るい場所を好む。草原に生える植物が生き残る場所が今は減っている。貴重な植物を絶やさないように少しでも力になっていきたい」と話している。
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