誰もが健康で幸せを実感できる「健幸都市」の実現へ――。その取り組みを進めている多摩市は2月24日、桜美林大学多摩アカデミーヒルズで、全国の自治体で初となる独自の「ライフウェルネス検定」を実施した。定員を超える126人が受験し、受験者全員に合格証が手渡された。
市では昨年12月、健幸まちづくりの一環として、オリジナルのテキスト「あなたの『生き方・老い方』応援本」を制作。「今の社会」についてや「食・運動・学び・活動」に焦点をあてた知見や知恵、日々の生活の生活で取り入れることのできるアドバイスなど、40歳以降を念頭に、基本的な健康知識から終末期のことまでが描かれている。1冊500円で市内の書店で販売したところ、好評だったことから重刷して現在も販売を行っている。
今回の検定は、そのテキストをもとに、様々な健康知識やフレイル予防を学んでもらおうと実施されたもの。当日は、まずテキストの監修を務めた桜美林大学老年学総合研究所の所長で、同大学院教授の鈴木隆雄氏による基調講演が行われた。「よりよく生きるための老年学」と題し、鈴木氏は年齢や男女で老化に差があること、フレイルや認知症、その予防についてなどに触れながら「わくわくすること、新しく学ぶことが大事」と話した。
その後、緊張感漂う中で検定が行われ、受験者は悩みながらも問題を解いていった。終了後には東北大学公共政策大学院教授でILC上級企画研究アドバイザーの白川泰之氏、多摩市健幸まちづくり政策監の安里賀奈子氏による答え合わせと解説が行われ、受験者全員に合格証が贈られた。
受験者代表として阿部裕行多摩市長から合格証を受け取った小林アイ子さんは「講演はわかりやすかったけど、試験の方は解けるかドキドキした。少しずつ健康が下向きになってきていたので、今日の講演や検定で学んだことを活かしてこれ以上落ちないように気をつけていきたい」と感想を話していた。
初の試みとなった今回の検定を振り返り、安里政策監は「本の売れ行きも含め、予想を超える大勢の方に受験いただき、改めて多摩市の方の意識、ポテンシャルの高さを実感した。市民力の高い多摩市でなら、健幸都市を実現しうると確信できた」と話した。
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