多摩市では現在、誰もが健康で幸せを感じる「健幸都市(スマートウェルネスシティ)」をめざし、様々な取り組みを進めている。
そうした中で今、市内で広がりを見せているのが、住民が地域の主役になって助け合い、声掛けをしながら、元気なうちから介護予防に取り組む「介護予防の地域づくり」だ。その内のひとつ「地域介護予防教室」(元気アップ体操)が、現在市内13カ所で開催されている。楽しく、笑いながら筋力アップができる場として、毎回盛況だという。
その教室の中心となっているのが「介護予防リーダー」。介護予防リーダーは、こうした教室の運営や自主グループ活動などを通じて、地域住民と主体的に介護予防に取り組んでいるボランティアで、現在市内に89人いる。
その介護予防リーダーの中で、最年長で活動を行っているのが岩原鉄雄さん(89)=豊ヶ丘在住=だ。
趣味が高じてリーダーに
現役時代は、輸入会社のバイヤーとして働いていた岩原さん。定年後「貝取こぶし館」の運営協議会のメンバーとして長年活動を行ってきた。介護予防リーダーになるため、昨年度、養成講座に申込み、13回の講義等を経て、活動を行っている。「趣味で折り紙をやっている。考えて作らないといけないので、認知症の予防にもなる。その流れでやってみようと思った」と経緯を語る。
運動をするのが好きだったが、2年前に手術した脊柱管狭窄症の影響で杖が必要になり、その頻度は減った。それからは、5年ほど前に知り合いから教えてもらい、認知症予防のために続けていた折り紙がもっぱらの趣味となった。
折るのは、花や亀、指輪などで、ピンセットを使って作ったり、本を買って勉強している。「本と同じように作るのは難しい」と苦笑い。自分で折り方を考案したり、珍しい折り紙を作る人がいると聞いて九十九里まで習いに行ったこともある。オリジナルの船=写真右=は、4cmや5cm四方の折り紙を幾枚も三角形に折って作ったものだ。コミセンの折り紙教室で指導することもあるという。「やってみると面白い。この歳になると、数多く作らないと忘れてしまうけどね」と笑顔で話す。
「コミセンに行って人と話す。そして体操や折り紙をやる。そうすればいろいろな予防になるから」。自身も介護予防に取り組みながら、リーダーとしての活動が続く。
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