多摩市の特産物としてブランド野菜をつくろうと現在、市内の農家有志でミニトマトの栽培・商品化が進められている。6月12日には、和田の青木農園で検討会が開かれ、苗の育成状況の確認や、商品化・販売に向けた話し合いが行われた。中心メンバーの相澤孝一さんは「他市に負けないような特産物になれば」と意欲を見せる。
「稲城には梨があり、近隣市にも代表する特産物がある。多摩市にも同じような特産物をつくりたい」。市内の農家の中でそうした話が以前から挙がっていたという。
動き出したのは、2年前の夏。明治大学(川崎市)で行われた農業研修に多摩市農業委員と、一部の農家で参加した。そこで紹介されたのが、「ソバージュ栽培」によるミニトマトだった。
「ソバージュ栽培」とは種苗メーカー「パイオニアエコサイエンス(株)」が商標登録を行っている栽培法で、フランス語で「野性味のある」から名付けられたものだ。多摩市農産物応援サイト「アグリアグリ」のスタッフによると、トマトの栽培は、脇芽を取りながら「主柱一本仕立て」で栽培するのが一般的で、この「ソバージュ栽培」はキュウリ等で使うネットを用いて、茎の下の部分だけ、脇芽や葉かきをして、後はその名の通り野性的に育てる珍しい栽培法だという。
脇芽かきなどの作業が大幅に軽減され、多くの収穫が見込めることから、この栽培法によるミニトマトを作り、特産物として商品化しようと、農家の挑戦が始まった。
7月に収穫・販売へ
昨年から有志の農家で試験的にこの栽培法にチャレンジ。甘味が強く生食に向いており、調理にも適しているという「ロッソ・ナポリタン」を栽培した。明治大学と「パイオニアエコサイエンス(株)」の指導を仰ぎながら、順調に生育、収穫ができたという。
そこで、今年は商品化に向けて参加農家も増え9軒で栽培を開始。品種も増やし、ここまで順調に生育しているという。
この日の検討会では、団体名を「(仮称)多摩市ミニトマト(ソバージュ)部会」とし、生育状況の確認、商品化に向けたパッケージやラベルについての意見交換、販売価格についての検討も行った。今後、収穫までにそれらを決定し、販売を始める意向だ。
相澤さんは「7月には収穫・販売できると思う。収穫には、市内の福祉作業所の方々にも協力してもらい、多摩市の健幸まちづくりにも参加しながら、みんなで多摩市を盛り上げていければ。他市に負けないよう、土産物として使ってもらえる特産物にしていきたい」と意欲を見せている。
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