28回目を迎える市民手作りの映画祭「TAMA CINEMA FORUM」が11月17日(土)から25日(日)までパルテノン多摩などで開催される。その初日に行われる「TAMA映画賞」が今年10周年を迎えたことから、これまでの受賞式の写真などが載った特設サイトを開設した。実行委員長の竹内昇さん、副委員長の飯田淳二さんにこれまでの経緯や今年の意気込みを聞いた。
八千草薫さん、役所広司さん、三浦友和さん、綾瀬はるかさん、長澤まさみさん。これまでに「TAMA映画賞」で受賞し、映画祭の舞台に駆け付けた俳優たちだ。その他にも著名な俳優、映画監督らが参加してきた。
市制20周年の記念事業として1991年にスタートした同映画祭。第2回から「日本映画の活性化をめざして映画ファンのネットワーク作りをめざす」「21世紀のまちづくりをめざして映画を通した新たなコミュニティー作りをめざす」ことを目的に、市民が実行委員となり手作りの映画祭を開催してきた。
2009年からは、明日への元気を与えてくれる、夢をみせてくれる活力あふれる”いきのいい”作品・監督・俳優を映画ファンの立場から感謝を込めて表彰しようと「TAMA映画賞」を設けた。
その映画賞も今年で10周年を迎えた。今回、その記念として特設サイトを開設。過去の授賞式の写真や様子、裏話などが載っている貴重な記録だ。
「他の映画祭にはなかった、新進監督、俳優を選ぼうとスタートした。その1回目の授賞式で八千草薫さんが来て下さったのが大きかった」と10年前を振り返る飯田さん。第2回から最優秀男優・女優賞を設け、著名な俳優陣を呼ぶようになった。「第4回からパルテノン多摩の小ホールが大ホールになり、人が集まるか心配だった。役所広司さん、前田敦子さんが来て下さり満員になった。スターの力を改めて感じた」と振り返る。
竹内さんが記憶に残っているのは、綾瀬はるかさんと、三浦友和さんだ。「綾瀬さんは直前まで登壇を公表できなかった。ステージに上がった瞬間の客席の歓声の大きさとご本人の雰囲気に驚いた。三浦さんは、普段されない山口百恵さんの話をされた。ここでしか聞けない話だった」と感慨深く語る。
「地元の誇りにしてほしい」 最優秀作品賞は『万引き家族』『寝ても覚めても』
映画賞の選考作品は、毎年20人以上の実行委員が意見を持ち寄って決定しているという。「みんな映画ファンなので思い入れが強い。それをまとめるのは大変ですけど」と苦笑いの飯田さん。「でもそれだけ平等に、みんなで決めている市民映画祭なんです」と話す。
実行委員会で選んだ今年の最優秀作品賞は、カンヌ国際映画祭の最高賞を受賞した是枝裕和監督の『万引き家族』、同じくカンヌ国際映画祭に出品された濱口竜介監督の『寝ても覚めても』に決定。「世界的に評価されている作品。世界レベルで活躍できる人がでてきた」と竹内さん、飯田さんは声を揃える。
その『万引き家族』にも出演し、第4回と第7回で最優秀女優賞を受賞し、映画祭とも縁の深い樹木希林さんが今年亡くなった。「いつも気さくで親切にしていただいた。今年もぜひ来ていただきたかったので残念です」と飯田さん。今年は、その樹木さんの特集も組まれている。
「足を運んでもらって、楽しんでもらえれば。そして映画を身近に感じてもらい、スクリーンで観ることができるイベントが地元にあるんだと誇りにしてもらいたい」と飯田さん。竹内さんは「初日は最優秀作品賞2本と授賞式を観ることができます。足を運んでもらえれば満足できると思います。ぜひ会場にお越しください」と話す。
映画祭のプログラムは、公式HP、または市内公民館等に置いてあるパンフレットを参照。チケットはe+、パルテノン多摩、市内公民館等で販売中(料金、その他の販売場所はHPで確認を。売切れの場合もあり)。問い合わせは同実行委員会【携帯電話】080・5450・7204へ。
多摩版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|