全国の小・中学生の実力者が集まる「第49回全国競技かるた小・中学生選手権大会」が3月24日、滋賀県立武道館で行われ、矢島聖蘭(せいら)さん(12)=和田在住=が小学6年生の部で優勝した。矢島さんは1月に湯島天満宮(文京区)で行われた「第32回全国競技かるた小学生選手権大会」の小学6年生の部でも優勝しており、全国規模の大会で2冠を達成するという快挙を成し遂げた。
3月まで多摩第二小学校に通っていた矢島さんは、4月から和田中学校に通う1年生。競技かるたを始めたのは5年生の4月から。先に始めていた高校生の姉が出場していた大会を見に行き、はらった札が自分のところに飛んできた時に「カッコいい」と思ったことがきっかけだった。ちょうどその頃、競技かるたを舞台にした映画『ちはやふる』がヒットしていた影響もあったという。
それから、自宅から一番近くにある「府中白妙会」に入会。同会は『ちはやふる』のモデルとなったとされている会だ。「始めた時に、初心者かるた教室でA級の先生が『決まり字』などを語呂合わせで覚えやすいように教えてくれて、すぐに覚えることができた」と入会当初を振り返る。それからは、週に2回平日は学校が終わってから午後10時まで、毎週土日もほぼ一日中、年上に混じって試合形式の練習を行っている。約1時間半とされる1本の対局を年間で600本以上重ね、自宅でも、フローリングに札の位置に印をつけて、素振りの練習もしているという。
「誰よりも練習した」
そうして迎えた昨年1月。湯島天満宮で行われた全国の実力者が集まる「第31回全国競技かるた小学生選手権大会」の小学5年生の部で優勝。小学生年代の最高峰の大会で栄冠を手にした。前年の学年チャンピオンとして臨んだ今年1月の同大会。6年生の部で優勝し、2連覇を達成した。
続く、3月24日に滋賀県立武道館で行われた「第49回全国競技かるた小・中学生選手権大会」の6年生の部には全国から89人が参加。「誰よりも練習してきた。大会で一番強いのは自分」と言い聞かせて臨むと、6回戦を勝ち抜き、見事優勝を決めた。「去年は2回戦で負けて悔しかった。その去年の優勝者が途中で負けてしまったので、自分が優勝しなきゃと思って燃えた。それで優勝できたので嬉しかった」と笑顔で話す。
1月と3月の大会は、6年生の部で優勝すると優勝旗が授与され、矢島さんは今回2本を持ち帰った。優勝旗を2本とも東京に持ち帰るのは初になるという。
目指すは「クイーン」
矢島さんは現在、全日本かるた協会が定める級位の中でB級3段。新中学1年生でB級3段は全国で2人しかおらず、年齢で下から2番目になるという。次に目指すはA級だ。大会に出場するため、全国への遠征は続く。「かるたに対しての情熱や取り組む姿勢が娘ながらすごいと思う」と母親の春菜さん。負けず嫌いな性格で、テニスで培った動体視力や瞬発力、体幹がかるたにも活かされているという。「かるたが楽しいし、強くなりたい。家族に感謝している。勝ってトロフィーや優勝旗を持って帰ることが恩返しになる」と話す。
目標は女流ナンバー1の「クイーン」になること。「お世話になっている会の先生をクイーン戦に連れて行ってあげたい。そしてクイーンになることで今までの恩返しができれば」と目標を語った。
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