東京医療学院大学(落合)で6月14日、同大学の学生が一般社団法人「東京キワニスクラブ」と市民団体「小さな天使」の協力を得て、主に小児医療の現場で使われる人形「キワニスドール」の製作を行った。今回製作された人形は、今後、同クラブでの検査・検針を経て、入院中や手術、治療を受ける子どもたちへと寄贈される予定だ。
目や鼻、口がなく、白い木綿生地に綿が詰められた「キワニスドール」。身長約40cm、体重約50gの大きさのこの人形は、小児医療の現場で子どもたちが、医師から病状や手術、治療の説明や注射を受ける際に使われているものだ。時には、入院中の子どもたちが枕元に置いて寝たり、好きな色を塗って顔や洋服を書いて遊ぶこともあるなど、子どもたちの病院生活を癒し、少しでも楽しくできるようにと使用されており、全国の病院で広がりを見せている。
2012年に落合で開校した東京医療学院大学には、保健医療学部の中に看護学科、リハビリテーション学科があり、保健医療のプロを目指す学生たちが通う。今回は、看護学科の「小児看護学方法論I」の授業の一環で、このキワニスドールの製作を行った。同授業を担当する講師の廣瀬京子さんが病気の子どもたちを想定した遊びの中で「実際に作ることによって子どもたちの支援をし、知識も持てるように」と昨年から製作を行っている。製作には、”世界の子どもたちのために”を合言葉に奉仕活動を行う「東京キワニスクラブ」と、多摩市内でキワニスドールの製作や、学校や公民館等で講座を開くなど普及活動を行っている「小さな天使」が講師として参加した。
「良い経験ができた」
今回の授業では、2年生の約80人が2グループに分かれて製作。東京キワニスクラブから人形の説明を受けた後、学生たちは50gの綿を40〜50個ほどに細かくちぎり、その綿を人形の形に切り取られた生地にバランスよく詰めていき、糸が外に出ないように縫っていった。授業を受けた学生は「初めて作ってみたけど、いろいろコツがあって難しかった。授業でないとこういう機会はないのでワクワクしていた。少しでも多くの子どもたちに楽しんでもらえたら」と話し、別の生徒も「フラフラしないように首や関節にバランスよく綿を詰めるのが難しかった。うまくできたので、どこの病院に行くかわからないけど、子どもたちにぜひ使ってもらいたい」と人形製作に込めた思いを語った。
講師の廣瀬さんは「これが病院に届くことを身をもって感じたと思う。ボランティアの方たちが作って病院に届けてくれていることを知ることができ、良い経験ができたのでは」と話す。東京キワニスクラブの星俊樹さんは「大学の単位が取れる授業の中で人形の製作を行うのは珍しい。今回、人形の製作を体験してもらったことで、学生たちが将来就職して看護師になった際に病院での普及に力を貸してもらえれば」と話していた。
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