４者の代表者でサインを交わした＝同財団提供
公益財団法人多摩市文化振興財団（牧田和久代表理事）は１月７日、多摩市立複合文化施設（パルテノン多摩）と多摩中央公園内駐車場のリニューアル準備期間およびリニューアル後の管理運営共同事業について、（株）ＪＴＢコミュニケーションデザインを代表企業とする野村不動産パートナーズ（株）、（株）フラットステージの「ＪＮＦ共同事業体」との間で、昨年12月10日に民間パートナー協定を締結したことを発表した。今後は、４者がそれぞれに専門性を活かし、施設の日常的な居場所機能の創出や、サービスの質の向上、施設提供の側面で市民に貢献することを目指していく。
パルテノン多摩は、１９８７年の開館以来、多摩市の文化芸術振興の中心的な役割を担い、多摩市のシンボル、「文化の殿堂」としてその役割を担ってきた。一方で、開館から30年以上が経過し、施設が老朽化。大規模改修工事を行うこととなり、今年４月から全面休館に入る。全館リニューアルオープンは２０２２年７月を予定しているという。
今回の大規模改修にあたり市では、これまで基本計画策定委員会や利用者懇談会、無作為抽出によるアンケート、シンポジウム、市民ワークショップ、実務専門家、市議会特別委員会と多方面から意見を募り、検証や議論を重ね、リニューアル後の施設理念、基本方針、施設運営の在り方などのビジョンを基本計画として取りまとめた。
その中でリニューアル後の指定管理者に求められる役割や施設の管理運営について、【1】公益財団法人であり、市の外郭団体でもある同財団が市とともに文化事業を担っていくことを基本とする【2】改修後の施設の機能・役割を最大限発揮させるには、施設管理のさらなる効率化やサービス水準の向上には民間パートナーのノウハウを導入していくことが重要【3】改修後の管理運営の枠組みとして、財団と民間パートナー双方が責任を持つ立場として業務を実施していく共同事業体方式を採用することを挙げた。
専門性活かし管理・運営を
そうした中で、同財団では昨年７月、リニューアルまでの準備期間およびリニューアル後の管理運営共同事業の民間パートナーをプロポーザル型で公募した。その結果、２事業者の応募があり、選定委員会による審査を経て、（株）ＪＴＢコミュニケーションデザイン、野村不動産パートナーズ（株）、（株）フラットステージによる「ＪＮＦ共同事業体」に決定した。今後、４者がそれぞれに専門性を活かし、文化や教育の課題解決の拠点とするエリアマネジメントの総合プロデュースや維持管理業務の刷新、省エネ、長寿命化、舞台技術運用やアウトリーチなど、施設外での市民文化の支援に取り組んでいくという。
昨年12月10日に行われた協定締結式には、それぞれの代表者が集まり、サインを交わした。ＪＴＢコミュニケーションデザインの執行役員・エリアマネジメント事業部長の丸尾浩一氏は「リニューアル後の持続可能な文化振興、まちづくりを見据え、ＡＩを活用したサービス提供や主体的に文化芸術活動に関わる市民を増やす仕組みづくりを提案させていただいた。施設運営のみならず地域連携や市民協働により多摩市の文化振興に貢献していきたい」と話した。同財団の牧田代表理事は「大規模改修を契機とした新しいチャレンジは今までにない挑戦的な取り組み。同じビジョンに向かって対等なパートナー同士のチームとして互いの強みを生かし、ミッション達成に向けて取り組んでいきたい」と抱負を語った。
なお、協定の締結期間は、リニューアル準備期間の２０２２年１月４日までとなる。
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