電気通信業大手「KDDI株式会社」(本社・千代田区)の宿泊研修施設「LINK FOREST」が今年4月、市内鶴牧にオープンする。同社は2月10日に「多摩市企業誘致条例」に基づく指定企業とされた。同条例で指定された企業は約2年ぶり9事業所目となる。
今回、新たにオープンする「LINK FOREST」は、同社の100%子会社のKDDIラーニング(株)が運営。建設が進められているのは、多摩センターの多摩郵便局からすぐそば(鶴牧3の5の3)の場所で、UR都市機構が所有する土地を同社が2017年3月に取得した。
同社は、これまでに多摩市内の南多摩尾根幹線道路沿いに無線アンテナを設置する他、唐木田に第1〜4のネットワークセンターを設けるなど、多摩市との深い関りを持つ。そうした中で今回、同社の未来を担う人材育成を推進するための宿泊研修施設を新たに鶴牧に建設。同施設には、各種研修や会議、イベントのための宿泊施設や会議室が設けられている。会議室は最大1500人を収容、宿泊室は181室あり、社内で使用するだけでなく、一般の市民団体や地元企業、行政等へも貸し出しを行っていく。今年夏に開催される東京2020オリンピック・パラリンピックの際、多摩市で事前キャンプを行うアイスランド選手団も同施設に宿泊する予定だという。
加えて、施設内には「KDDI MUSEUM」も設置。老朽化により閉館した「KDDI国際通信史料館」(栃木県小山市)に代わる新たなミュージアムとなる。古くは明治時代の資料などを展示し国際通信・携帯電話の歴史を学べるだけでなく、次世代通信規格5G・IoTが体験できる施設となる予定。オープンは今年6月頃を予定しており、予約制で一般の見学者にも無料開放される。2020年度には、小・中学生の社会科見学の受け入れも始めるという。
多摩市の活性化に
多摩市では2月10日、同社を企業誘致条例に基づく指定企業に決定。2018年3月に同条例で指定企業に認定された建設業大手の長谷工コーポレーション(株)以来、約2年ぶり9事業所目となる。同条例は、企業誘致の推進を目的とし、2002年に賑わいのあるまちづくりの一環として制定されたもの。同社は2008年に第4ネットワークセンターを建設した際にも同条例の指定企業に認定されている。
2月21日に市役所を訪れた同社代表取締役会長の田中孝司氏は「この地域は岩盤がしっかりしている。新たな未来に向けて大きな礎になる。社内だけでなく、地元の方々にも開かれた形で多目的に使ってもらうことができるので、多摩市の活性化につながれば」と話していた。
一方、阿部裕行多摩市長は「日本を代表する企業であるKDDIさんの新たな施設がこの地でオープンすることを嬉しく思っている。引き続き地元として応援していきたい」と期待を寄せた。
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