市立多摩第二小学校(吉田正行校長)で6月4日、全校児童にひまわりの苗が配布された。これは、新型コロナウイルスの困難を乗り越え、様々な差別や偏見、いじめをなくし、命をつなぐことを目的に「二小にこにこひまわりプロジェクト!」の一環として、PTCAや地域、多摩市人権擁護委員会の協力により実施されたもの。配布された苗は、東日本大震災の時に宮城県石巻市のがれきの中で咲いた「ど根性ひまわり」の10代目。吉田校長は「コロナで大変な年だったという思い出ではなく、ひまわりが咲いた明るい1年だったと心に残ってほしい」とプロジェクトに込めた思いを語る。
東日本大震災で未曽有の被害に見舞われた石巻市で、店舗跡に咲いた一輪のひまわり。津波の被害にも負けず花を咲かせたことから「ど根性ひまわり」と名付けられた。その後、復興の願いや震災を忘れないようにと、そのひまわりの種が全国に配布された。
今回、二小で配布されたひまわりの苗は、吉田校長が以前に被災地と交流を続けている恵泉女学園大学から6代目の「ど根性ひまわり」の種を譲り受け、南鶴牧小学校や瓜生小学校で児童たちと育ててきたひまわりの種の10代目となる。
吉田校長は、4月から二小に赴任してきたものの、新型コロナウイルスの影響で臨時休校中。そうした中で、子どもたちや教員、保護者と一緒に何か取り組めるものをと思案していた。PTCA副会長の井田奈知世さんも以前、宮城県に住んでいた時に知り合いから阪神淡路大震災の被災地で咲いた「はるかのひまわり」の種を譲ってもらっていたこともあり、2つのひまわりを育てようと同プロジェクトを企画。感染者や医療従事者などを親に持つ子どもたちが差別を受けているという話を聞き、「命を大切にする」「困難に負けない」「差別や偏見・いじめをなくす」「震災を忘れない」という願いを込めて2つのひまわりを育てるプロジェクトを実施することになった。
多摩市人権擁護委員会の協力を得て、土やポットを用意。5月の連休明けに教員がど根性ひまわりの種を約700個のポッドに植えていき、学校で育ててきた。
学校が再開された6月4日の午前と午後の下校時間に児童に配布。「はるかのひまわり」も校門の花壇に植えた。5年生の女子児童は「ひまわりを育てるのは初めて。うまく育てていきたい」と笑顔で話していた。
PTCAの井田さんは「コロナ禍の中で子どもたちもどこかで落ち込んでいる。少しでも黄色い元気な色で元気づけられたら」と話す。吉田校長は「コロナで大変な年だったという思い出ではなく、ひまわりが咲いた明るい1年だったという思い出になってほしい」と思いを語る。今後、花が咲いたらその写真を学校にメールで送ってもらい、学校で掲示していく予定だという。
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