多摩市ツバメ調査団の団長を務めた 渡辺 仁さん 和田在住 52歳
ツバメの調査・研究を
○…2016年、17年に30年ぶりに実施した多摩市のツバメ調査。49人から成る調査団の団長を務め、メンバーと一緒に市内を歩いて回った。ツバメの数が減っているのではと言われる中で、市内の数は減少しておらず、営巣の場所が変わっていることが分かった。「ツバメがいるところは人にとっても理想的な場所。ツバメと共生できる方法を知ってもらえたら」と笑顔で話す。
○…横須賀市出身。幼い頃からバードウォッチングなどが好きで大学では生物学を学んだ。卒業後は、都心の建設コンサルタントの会社に入社。生物の調査などに携わっていた。そうした中で興味を持ったのがツバメだった。都心のビル群の中でも繁殖していると聞いて調査に参加。小中学生でも知っている身近な存在にも関わらず大人向けの案内書がないほどツバメの生態は謎が多い。「知れば知れるほど面白い」と調査、研究にのめり込んでいった。
○…仕事で全国や海外で生物調査のプロジェクトなどに携わっていたが、地域に根差した活動がしたいと一念発起。昨年、会社を退職しNPO法人東京生物多様性センターを設立した。今後は東京をフィールドに、自治体の生物多様性の地域戦略づくりを地元の人と一緒に関わっていくことが目標だ。「都市に適応している東京の自然は面白い。これまでの経験や知識を活かした活動をしていきたい」と微笑む。
○…NPOの立ち上げや日々の活動に対する家族の理解に感謝する。これから大学の博士課程でツバメとコロナの影響に関する論文を書く予定。「少しはわかるようになったけど、一生かけてもすべての謎は解けないでしょうね」。これからもツバメのみならず、生物についての研究、調査のライフワークが続く。
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