市内に本社を構える「トヨタ西東京カローラ(株)」(関戸・舟橋竹彦代表取締役社長)と、「多摩興運(株)」(南野・小礒トシ代表取締役社長)は12月10日から13日まで、多摩興運が運営するTKK水素ステーション(南野)で、水素自動車「MIRAI」の新型車の展示会を行った。同車は、9日に新型が発売されたばかりで、全国でも先駆けて多摩の地で一般にお披露目された。舟橋社長は「多摩から水素社会の実現に向けて一歩を踏み出していきたい」と意欲を見せた。
国は2030年代半ば、都は30年までに「脱ガソリン車」の方針を打ち出す中、9日にトヨタ社から発売されたのが水素自動車(FCV)の新型「MIRAI」だ。
従来のガソリン車、ガソリンと電気で走行するハイブリッド車、電気のみで走る電気自動車(EV)に次いで開発された水素自動車(FCV)は、「究極のエネルギー」と称される水素と酸素の化学反応で発生した電気をもとに走行し、排出するのは水だけという「究極のエコカー」として注目を集めている。
「MIRAI」は、トヨタ社が2014年に世界で初めて市販を開始。今回、発表された新型「MIRAI」は、初代の車よりも外見にこだわり「よりカッコよく」作られているのが特徴だという。フル充電で650Kmまでだった航続可能距離が650Km〜850Km(Gグレード)とアップ。また4人乗りが5人乗りに変更され、車内に走行中でも使用可能なコンセントやUSBの電源が設置されている。充電時間はフルで約3分、災害時に家庭などで電力源として活用でき、一般家庭の最大1週間分の電気が賄えるという。
小さな一歩を
今回、多摩地域で2つしかない水素ステーションのひとつ、多摩興運が今年3月に開設した「TKK水素ステーション」でこの新型「MIRAI」が一般にお披露目された。また期間中には、今春、京王バス(株)が2台導入し、現在路線バスとして利用しているトヨタ社の水素バス「SORA」も展示され、全面的な水素車のPRを行った。初日には、東京都、東京消防庁、多摩市の関係者も多く訪れ、両車両を熱心に見学していた。
トヨタ西東京カローラの舟橋社長は「初代は燃料電池自動車の第一号ということで話題性があったが、まだ水素ステーションの設置が進んでいないことや、車両そのものの価格や品質、出来などがすべて回っている状況ではなかった。今回の2代目は、世の中の一般的な高級車と比べても遜色のない車に仕上がっている。その車の中身が我々の将来を担ってくれるかもしれない水素をエネルギーとしたもの。多摩興運さんと協力して水素社会の実現へ向けて小さな一歩かもしれないが踏み出していきたい」と抱負を語った。TKK水素ステーション特別顧問を務める小礒明氏は「これから新しい時代、新しい水素燃料の市場を日本社会で形成していきたい。水素社会をここ多摩から大きく推奨していきたい」と話した。
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