多摩市はこのほど、市内の自主防災組織に対し、災害時などの停電対策として、発電機やバッテリーを支給する電源確保事業を実施する。同事業は、共助の担い手である自主防災組織に有事の際に地域の情報収集や発信、充電ポイントの拡充などに役立ててもらうことがねらい。現在、受付を開始しており、市防災安全課では「ぜひ活用を」と呼びかけている。
令和元年東日本台風では市内でも初めて避難指示が出されるなど、近年大規模災害が多発している。今後は首都直下型地震なども危惧されるなど、その対策が急務となっている。そうした災害の発生時に、行政や消防署、警察署、消防団などの防災機関だけでなく、地域住民にとって大きな力となるのが自主防災組織だ。
自治会や管理組合などが母体となって構成される自主防災組織は、現在市内に180あり、それぞれが資機材の整備や確保、防災訓練など有事に備えた活動を行っている。「共助」の担い手となる自主防災組織の活動を支えるため、市ではこれまで防災用品の交付や合同訓練、避難行動要支援者避難支援の個別計画の策定に関する補助などを行ってきた。
そうした中で、今回、初めて実施するのが「電源確保事業」だ。事前に市内の自主防災組織を対象にヒアリングを行った結果、発電機等の支給を希望するところがほとんどだったことから、今回、災害時に大きな課題となる電力源を確保することを目的として、発電機やバッテリー等を支給する。
申請は1月末まで
同事業は、東京都の補助金を活用。災害時などで停電になった際に、情報収集や情報発信、携帯電話等の充電ポイントの拡充、充電を目的とした避難所の混雑防止などに活用してもらうことがねらい。支給するのは小型バッテリー、ソーラーパネル、発電機、携帯充電用USBポート、充電用ケーブル6本のセット。
市では現在、各組織に案内を送付しており、2021年1月末まで申請を受付。交付が決定し次第、支給される。市防災安全課では「コロナ禍では、災害時は在宅避難が基本となる中で、自主防災組織の機能強化は極めて重要。停電対策にぜひ活用してもらいたい」と呼びかけている。
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